文芸俳句
わがふるさとのヒロー小野伸二が引退 お疲れさまでした。 水泳の岩崎恭子ちゃんともども沼津のヒーローだった。 あのテクニックは誰も真似のできるものではなかった。 静岡の日本サッカーを牽引してきた名選手は語り切れないほど多い。それがまたカズをはじ…
「はるさんと1000本のさくら」 中央公論新社 ¥1500 知人のただのぶこさんが、本屋大賞絵本新人賞を受賞しました。 過疎化する村の里山に、命を懸けて復活を夢見て桜の苗木を植えて死んでいく10人のおばあさんの物語。 感想はいずれまた。 とりあえず紹介…
佳い詩です。 * 闇の反撃 僕たちは闇の大切さを忘れてしまった 見えないものを見えるようにすること、 闇を光によって駆逐することが 文明化として賞賛されてきた ある全盲の社会事業家は自己の失明体験を「光は闇より」の語で総括した それは悲しみや辛さ…
自分のブログを編集整理していたら、昔の記事にいいものがあった。 もったいないから、抜粋を一つだけ紹介させていただく。 前回の記事ー敗戦記念日の意味についての続き。 板間恒子さんという俳人の作品。 戦争は牛乳瓶の色変える いままで戦争を詠んだ句は…
とうとう後期高齢者と烙印を押される日が来ました。 いつ死んでもおかしくない人です、ということになるのですね。 久々に、誕生日というものが、感慨深いものとして受け止めました。 いいでしょう、いつでも死んでやります。覚悟はできています。 しかし、…
ー「60年代詩」を先鋭に体現ー 北川透 天沢退二郎が亡くなった。彼の存在が象徴した「60年代詩」の意味を後づけることによって、悼む思いにかえたい。 1960年代の初頭に天沢さんの詩が登場しなければ、それに鈴木志郎康や吉増剛造などの同世代の詩人の詩を加…
新年の挨拶句。 初空の青の陰影軍靴の音 いよいよ今年は後期高齢者の仲間入りです。 年齢で、これほど感慨をもった年もなかった。 もういつ死んでもいいのです、と世間様から烙印を押されたような脱力感。 金ばかりとられて、何の役にも立たない現代俳句協会…
岸田新内閣の閣僚人事が発表された。 相変わらずの変態チックな顔ぶれだが、 萩生田と二之湯を外したのは、評価できるだろう。 自民党人事などには関心も希望もないから、どうでもよい。 問題の本質は、国民がどこまで安倍を中心にヘドロ化した人脈を排除で…
日曜日は歩行訓練で少し遠征した。 昔住んでいた家の近くの公園に立ち寄ると、若い父親と三才くらいの娘がひっそりと遊んでいた。 声は出さないが、父親は娘を優しく見守り、娘は時々父親の方を振り向きながら、楽しげであった。 水場で娘の手を優しく洗って…
望みなき風のなかなる初明り 皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 本年も健康を回復させながら、体力の許す限りでボチボチ書いていきます。 たまには覗いてください。
27日(土曜日)哲学研究会は、 「美と共同体と東大闘争」(角川文庫)がテーマであった。 院生の日本近代史の研究の一環として資料の読み込みが動機であったようだ。 従って、自分たちが社会的矛盾への変革のコミットメントをする視点ではないから、今一つテーマ…
病状は改善せず、阪大ペインクリニック科の受診を受けることになりました。 結果、病名はない、あえて言えば「慢性腰痛症」とのこと。 痛みが三ヵ月以上続く場合は、そう括るらしい。坐骨神経痛というのは病状で病名ではないようです。 六か月のリハビリを理…
最近の作品を掲出しておきます。 先ごろ『飢餓陣営』(佐藤幹夫発行)最新号に、福島震災10年記念特集コーナーに、当時の震災俳句10句が再掲載されました。 改めてみると、ことの重大性に対して言葉が追いついていないなとつくづく恥じ入ったものです。 寝たり…
過去のドキュメントですが、敗戦記念日に掲載しておきます。 七〇年目の追悼 ラバウルに散った叔父望月重夫 桜川駅を地上に上がると小雨がぱらついていた。一大繁華街なんばの一つ西隣にもかかわらず町は閑散としていた。浪速区反物町を探すために桜川郵便局…
もう五月も終わる。この一月ほぼ寝たきりであった。 気力も失せて、友人たちの励ましがなによりの糧であった。 ベンヤミンは、ナチスに追われ逃走のさなか、 深夜聞く友の足音だけが支えだったと書き残しているが、 私もそれに近い感慨をもった。 四月は例年…
右翼ビジネスで儲ける出版社の多い中で、出版ジャーナリズムの正統派として、 宝島社の意見広告は素晴らしいものでした。 こうしたジャーナリズムの王道を歩み続ける宝島社とその社員の皆様に一句 献呈申し上げます。 広告の竹槍とあり母の青春 至高
現代俳句協会発行の『現代俳句年鑑』所収の拙句をまとめて掲出します。 理由はこの『年鑑』をすべて廃棄処分いたします。 凍星の呟きいずれも百四十字 もうだめか春暁の核炉メルトダウン 喉もとに集まってくる月夜茸 かくまでの安全神話蝉の殻 大寒のくまな…
ふたたびをわれら闘う寒桜 老いて買う紙オムツ下げ震災忌 団地より寒燈二三老いて坂
2021年「現代俳句年鑑」掲載句。 薄氷(うすらい)の虚空を駆けて無名かな 集まって個々によろめく鶴の声 継ぎめの綻びてゆく六林男の忌 足元の古層にとどき花の塵 二十二才の横顔さくら色して発車ベル
子安先生の講義、「『こころ』と「明治の精神」(2019.6.15sat.) とても新鮮な話だった。 子安先生は、ちっとも漱石がいいと思わない、しかし文学者になろうとすると、文壇では漱石研究をもっていないと一人前扱いされないのだろうと。 小生は中学…
福田和也がわが師鈴木六林男に言及している。兜太を取り上げる軽薄な文学者はいるが、六林男を取り上げる識者は少ない。面白いのは、六林男の俳句に魅せられるのは、兜太のようないわゆる進歩派のみならず、保守派からも評価されるところである。保守派とい…
追悼 兜太と六林男 拙著 二〇一八年二月二〇日、九八歳で金子兜太が亡くなった。 俳壇は追悼の言辞に溢れた。長く現俳協や朝日新聞や角川俳句に君臨してきたのだから、当然と言えば当然だろう。兜太と接したのは二〇〇三年現俳協の名古屋で行われた俳句大会…
添田馨著『クリティカル=ライン』をやっと落手。とても美しい装丁で好感がもてる。 目次をみるだけで、書の密度がずっしりと伝わる。今は流行りの「すごーい」が思わず口をつく。 目につくところをさっと読んでみるが、難しい。まさに詩人なんだろう、ことば…
半世紀ぶりに『世界』など買ってしまった。 最後に手にしたのは大学二回生頃だったかな。 昔の胸に響かないアカデミシャンの論文ばかりだったものが、少し柔らかく面白くなっているように思う。 四方田犬彦の『映像世界の冒険者たち』というシリーズが連載さ…
暮れなずむ車窓に寒林が薄い影となって後方へ消えてゆく。 外気は冷えている。朝から年一度の70歳以上の無料検診に行き、血を抜かれた。 行きつけのクリニックで看護師さんは何人かいるが、長年行きつけのところだからみんな優しくしてくれる。 変に老人扱い…
明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願いします。 いよいよ、改憲選挙、消費税率値上げ選挙、辺野古強硬政策、皇位変更などなど日本の大きな転換の年となります。 身を引き締めていきたいと思います。 辺野古の埋立る海、遠景はキャンプシュワ…
よく売れました、ついに出ました。小学館編集者と佐野眞一氏より文庫版『唐牛伝』を拝受、感謝に耐ええません。単行本が、3年を費やして大幅に追加加筆し、1.3倍になっています。消えていこうとする昭和の「偉人」たちを佐野氏は哀惜をもって何度も何度もな…
新潮社『新潮45』の休刊は、社長の釈明はギリギリ踏みとどまった点では評価される。しかし何をどういう理由で休刊したのか、休刊の後はどうするのかよく解らない文章だ。識者や「新潮利権作家」らの批判や内部抗争も解らないではないが、私のようにもう長く…
三島由紀夫は、最終的に皇居突入により、昭和天皇の誅殺を計画していたーということが真実のようだ。鈴木宏三の緻密な論証は、推理として仮説だと断っているが、ほぼ間違いないものと思える。 三島の思想を深奥で理解できている者であれば、ほとんど同意でき…
個人誌を創刊しました。非売品です。俳句時事評論原理的論文当ブログに掲載したものから、Facebookで識者に評価いただいたものを、加筆したものとなっています。