■後藤政志氏(元東芝原子炉設計者)の外国人記者クラブ会見

後藤政志氏(東芝・元原子炉格納容器設計者)院内集会発言要旨

池田香代子氏( @ikeda_kayoko )ツィートより抜粋


午前中に後藤政志さん(東芝・元原子炉格納容器設計者)が院内集会で話されたことを順次ツイートします(1)今回の事故は多重故障。フェイルセーフ思想の設計すら無効に。人間は思い上がってはいけない。危険性は誰もが平等に知るべき。1〜3号は格納容器が壊れたか「閉じ込め」機能を失っている。

後藤政志さん院内集会(2)初期の段階で格納容器の圧力が設計圧の2倍と聞きこうなるとピンときた。壊れるか壊れないかは運次第。「2倍ぐらいは平気」(TV学者)などということはない。(海)水を圧力容器に入れるには「ベント」を開く。これは、格納容器の役目を放棄することに等しい

後藤政志さん院内集会(3)放射能除去フィルタは小さな弁にありベントにはなく、放射性物質が多量に放出されるのは必至。いまやってることはみな「決死隊」。でもなんとか冷やすしかない。そもそも水を掛けるということは「水蒸気爆発」を招くので最も危険。でもやらねばならないのが現在の困難

後藤政志さん院内集会(4)4〜6号。使用済み燃料はむしろ放射性物質が増えた状態。水位が下がる原因は、揺れてこぼれる、蒸発、プールのライナー(鉄板囲い)の亀裂の3つが考えられる。注水は永久に続けなくてはならない。現在は中の状況がまったくわからない状況

後藤政志さん院内集会(5)今後想定される危険①炉心・圧力容器:注水ができなくなって溶融物(でぷり)が落ちること②その結果圧力容器や格納容器の底が抜ける③そうなるとコンクリート内の水分と反応して「水素爆発」が起こる④格納容器の大規模破損⑤水素爆発、水蒸気爆発、再臨界

後藤政志さん院内集会(6)⑥大爆発が起こればチェルノブイリと同じ⑦起こらなくても長期に放射性物質を出し続ける放射性物質は積算される。再臨界の可能性はまだ小さいが「起こるはずがない」は間違い。現にホウ酸を海水に混ぜているのは再臨界予防の為。後藤さんの事故評価レベルは6.5(了)

わたしが望んでいた専門家の初のまともな発言であったように思っており、少なからず感動と安心をしたものです。

テレビでの教授・原子力専門家と称されるコメンテーターの発言は、素人目にみても言葉多くして不安だけが増大していくものでした。

後藤氏の信頼性は、事故拡大の後追い解説と不安除去というフィルター役ではなく、実際の原発原子炉の設計という実務に携わり、原発施設を知り尽くしている技術者であったということです。

原子力と一言でいっても、ただの核の研究者から発電施設の実務オペレーターまでいるわけです。発電施設そのものに関わったものでなければ本当のところはわからないのです。
推測や机上の判断はできても。

それはかつてSEとしてシステムダウンの復旧の総指揮をとり、また「動燃」との取引で垣間見たわたしの経験知です。

従って後藤氏の信頼性は、後追い解説ではなく、今後何が起こっていくのかという事故拡大の予見と被害程度への正確な言及で、希望的観測を混ぜた曖昧さを演じていない点でしょう。
不安は不安として受け止めておく、それで初めて対処ができるという本来の人間の不安除去のサイクルを保障する情報提供であること、学者でないため自己保身からする予見の成否に束縛されていないこと、この二つがテレビコメンテイターの学者・専門家と違っているように思いました。

前置きが長くなりましたが、会見動画を備忘録として掲出しておきます。