憲法記念日市民のつどい2017---主催:豊中市教育委員会

豊中市憲法理念を地域で実現するため、
昭和58年、非核平和都市宣言
昭和59年、人権擁護都市宣言
をおこなっている。

森友学園瑞穂の國記念小学院という、現在疑獄事件にまで発展した極右問題、すなわちこの利権誘導をおこなった安倍総理夫妻や松井知事、あるいはこうした権力に呼応して官僚との交渉にあたった酒井弁護士、土建業者、市議ら維新の会の関係者、こうした極右の勢力も強いが、一方健全な民主主義を理解している市民も多く、極右小学校を告発、中止に追い込んだのもこうした良質な市民だちである。

憲法に関する記念行事で最近行政が会場を貸さないとか、企画自体が潰されるといった事件が多いなかで、豊中市教育委員会の努力は敬意に値する。

本日は、高橋源一郎明治学院大教授・作家の講演「言葉の力で未来をつむぐ」。
自身の体験談から、生活の場で「おかしいこと」と思うことと闘うこと、考えること、これが実は一番強い戦いである。
特に弱い者、効率性から疎外された者に手を差し伸べると、人はパワーがもてる。助けられる方ではなく、助ける方こそが実は力を得ることができるのだと。

共謀罪強行採決があった日であるから、大上段に政治を語ることも必要だが、
社会に参加しているという当事者性を自覚することが、民主主義であり、それは日常のどんな狭い世界にもあるのだと。
子どもも大人も、衆議し決議することは、訓練が必要であるから、教育と民主主義は一体のものだと、デューイを引いて説明していました。

自身の子供五人のうち二人を普通の公立ではなく、信州のなんとか学園という自由な学校に入れているらしい。今の教育は崩壊しかかっている、という認識があるようだ。

主旨はざっとそんな話だった。

事前にツイッターで筆者のツイートを読んでくれたらしく、
共謀罪衆院強行採決の後だから、「反対のシュプレヒコールを会場でやれたらいい」なんてのがあったが、主催者が困ってしまうだろうから無理かな、といって会場を笑わせていた。

読まず嫌いであったが、この講演に先立ち、『さようならギャングたち』など読みあさってなるほど、江藤淳大江健三郎吉本隆明という戦後もっとも優秀な文学者三人が高く評価し、凡俗な連中がまったく読み切れなかった意味がよく解った。

機会があればまた読書評など試みてみようか。

こういう時代、陰鬱ではなく明るくふるまうことが大事で、高橋源一郎は今夜は陽性の人を演じきってくれたことに賛意を表したい。

また豊中市教育委員会のスタッフを労いたいと思う。

そしていよいよ極右安倍政権は、改憲を日程にのせてきた。
ただ護憲をお題目として唱えるのではなく、より攻撃的に思考し、一次元突き抜けた憲法への論議を活発化していく機会を保証してしていって欲しいものだ。

(註)
高橋源一郎は、中学時代豊中市刀根山に住んでいて、神戸の灘中へ通っていた。
結婚離婚を繰り返し、現在の奥さんは41歳、長女が43歳とのこと。