半世紀ぶりに『世界』など買ってしまった。
最後に手にしたのは大学二回生頃だったかな。
昔の胸に響かないアカデミシャンの論文ばかりだったものが、少し柔らかく面白くなっているように思う。
四方田犬彦の『映像世界の冒険者たち』というシリーズが連載されていて、ジョスリン・サブアを扱っていたためつい手がでた。
サブアは、そんなに知っているわけではないが、たしか『ベイルートからの手紙』だったと思うが観たような気がする。
いわゆるベイルート三部作の一つだ。
映像がドキュメンタリー監督とは思えないほど美しかったと記憶がある。
四方田の解説で、その謎が解けた。
フォルカー・シュレンドルというニュージャーマンシネマ監督の下で学んでいた。劇作も数本撮っているとのこと。
サブアに面談した四方田は、次に準備している作品が、日本赤軍、重信房子らの軌跡だときかされている。
私が知る程度の情報以上が出てくるだろうし、なにより映像によってどんな処で活動したり、生活していたのか明らかになるだろう。
期待して待ちたい。
重信房子が日本の高槻の路上で捕縛されたとき、何か幻滅した。さらに何度か日本に潜入帰国していたことが明らかになると、シラケた。
そして一句がとっさに零れた。
虫の声懐かしくなりテロリスト 至高