余白
冬天の空位のときを青鷹
微塵より微塵に還り冬銀河
冬薔薇をもてライバルの抒情打つ
寒月光樹樹は行く手の楯となり
雪解川水嵩をまし改憲派
帆をあげて未来へ還る涅槃西風
いくつかの助走のあれば椿落つ
男根は<外部>に遊び月おぼろ
花は兵<余白>に員数記するかな
「遠くまでゆくんだ」渚の蜃気楼
総長のかかる企み田螺鳴く
沈丁花はたして夜の華やげり
菜の花の風に波打つ法の網
宙吊りの手脚からまり桜の木
正義とは検事のまとう花の闇
女より少女にちかし桜貝
あきらかの道は尽きたり鳥雲に
飛花に友はなほゆくべきや絞首台
本日5月25日『豈48号』が届いたので、とりあえず作品の掲載のみ。
おいおい掲載作品の寸評は時間が許す範囲で。