利権ではないか?竹中平蔵パソナ取締役へ天下り

もう週間新潮に小さく書かれていたから、周知の事実なのだが、読んでいない人もいるからやはりもう一度取り上げておく。


人材派遣業パソナグループは南部靖之社長の率いる東証一部上場企業だ。
08年4月から竹中政経塾を11回開催。
自民党小泉チルドラン佐藤ゆかり、パリバ証券エコノミスト河野龍太郎なども参画している。


この2008年というのはどういう年かというと、パソナが竹中の身内として十分利権の甘い汁を吸い尽くした結果の「御礼」の意味であることが見て取れる。


バソナの03月5月期の売上は、1356億円。

翌04年3月は労働者派遣法改正により、製造業にも許可される。

5年後のパソナ08年5月期売上、2369億円に倍増。


いかにこの労働者への吸血鬼法が製造業と人材派遣業にとって甘い汁であったかがよく解る。


パソナに言わせれば、今回の取締役就任は天下りなどではない、あくまで南部と竹中が20年来の友人関係にあるためであるとしているらしいが、それでは余計利権のインサイダーとでもいう構図を作っていることを自白したようなものである。


竹中平蔵はどこまでいってもいかがわしい人間としか思えない。
政治家や企業の間を泳いで、どんなに自分の理論が国民に不利益な結果をもたらしていても、改革が中途半端だと言い募って責任のがれをし続ける。


そもそも改革がどこまで行けば完璧で彼の言う「正しい」結果がでるというのか?
検証不可能な「改革の徹底」などという詐術で騙されるのは、なまじおかしな理屈をありがたる中途半端な大企業のサラリーマンや既得権益層、自民党支持の右翼バカだけで、彼が小ばかにしている庶民は、現実の生活感覚の中で嘘を嗅ぎ取っていることを知るべきである。


彼が持ち込んだ政策は、日本人の伝統的な心性に抵触し、「保守」なる概念をぶち壊した。その不快感が自民党離れである。
その結果、差別主義や、虚偽の歴史意識に汚染された反知性主義の若者を作り出した。


それ以上の問題は、「アメリカ的なるもの」と「日本的なるもの」の区別を曖昧にし、グローバリズムという呪文によって益々アメリカの属国化を進めたことであろう。今、政治の混乱はピークに達している。民主党政権になったとしても、この錯綜した状況をほぐして、政策の形態進化はリベラルでも何でも構わないが、本質論において日本人の心性を「保ち守る」国造りができるかどうか、それが問われているように思う。