中島岳志「保守と右翼を考える」(前編)−朝日カルチャーセンター講演より(2010,5,22)

雨の夜はしずかに読書がいいのだが、それだけでは何か寂しい。
そんなときは、ノラ・ジョーンズがいい。

都会の倦怠のなかで、自分の小ささをヒリヒリ感じたときしっとり沁みこむノラのハスキーボイスは、いいんだよ、自分で納得することが大事なんだと言ってくれているようで、とても癒される。

ノラは、恐らく10年に一度の天才ボーカリストだと思う。


さて、中島は極めてコンパクトに、原理的なところで解説していて概ね得心できるものだった。

ただ個人的な感想を言わせてもらうと、どのように緻密な研究者であっても、最後は現実の政治状況の判断となると個人的好き嫌いがでてきて興ざめさせられるものだ。

中島も原理的な研究レベルでは納得させられるが、今の保守政治にいまだ期待をかけているようでは、中島大丈夫かと問いただしたくなる。

とりあえず彼の話の輪郭を整理して、今の野党勢力の位置づけを検証してみたい。

1.保守とはなにか。

  ・左派の基準
  ・右派の基準
  ・左派と右派の差異はどこにあるか。

2.日本的右翼とはなにか。

3.新自由主義とは何か。

  ・リバータリアニズムの流れ
    ①アナルコキャピタリズム
    ②最小国家論(ノーズィック説)
    ③古典的自由主義ハイエク説)

  ・小泉構造改革を国民が支持した誤りの原因
    ・特に左派の誤認

4.小党乱立と保守勢力の混乱−本物の保守はどこか
  ・なぜ与謝野と平沼がひっつくのか
  ・みんなの党は信用できない
    
まあテーマとしてはこんな見出しで彼は整理展開していた。

時間も少なかったので、大学2年生ぐらいのレベルだと思っていいのだが、本気で掘り下げるとかなり深いはずだ。

しかしあくまで彼の話としてレポートしておく。

(つづく http://d.hatena.ne.jp/haigujin/20100524/1274687698