本当に辞めちまいました、鳩山総理

この辞任挨拶を見る限り、ああこの人は総理どころか政治家には向いていないと改めて感じた。

結局いまだに政治と金問題を持ち出して、それが支持率低下の原因の主たる問題のような口吻で小沢幹事長にも辞任を迫ったと誇らしげに言うところは、素朴さを通り越して、エリートバカの人間としてもダメだということを痛感させられた。

全く生徒会内閣だ。ボクやめるから小沢クンも一緒にやめようよ、ってか。

トップは黙って全ての責任を背負って、独りで辞めていくものだ。
万一同調者が出た場合は、指導者たる俺の責任で、他の人は留まって任務に専念して欲しいというのがリーダーたる覚悟でなければならない。

それに、鳩山総理の金問題は小沢に比べたら遙かに悪質で、脱税である限りこれはれっきとした犯罪であった。

しかし、小沢は記載漏れという秘書の形式犯である。しかもほぼ秘書は無罪が予定されている。

逆に言えば、パートナートが理不尽な検察の追及を受けていることに対して、法相に指示をして指揮権発動をしなければならなかったのではないのか。

全く理解に苦しむ政治=権力闘争の感覚の持ち主である。

メディアはさもこの問題で小沢が引導を渡されたごとく報じているが、もともと執行部、すなわち党幹事長、副総理、官房長官、などは総理辞任に伴う通常の入れ替えだから、この鳩山総理の発言が意味あるもののようにそこだけクローズアップすることはおかしな話なのだ。

各新聞の中で、読売だけがサブ見出しにこの「政治と金」をつけている。どこまでも小沢潰しのネガティブキャンペーンに拘っている。
(小沢潰しの秘密結社三宝会は読売人脈が幹事である)

今回の辞任は、端的に普天間移設辺野古リターンの引責以外ではない。

以前にも書いたが、国外最低でも県外といってきたことで、今後の沖縄基地問題は、全国民の課題としてここからスタートしなければ沖縄差別でしかない磁場をつくったという功績は大きい。

しかし同時に、最初から親米派(頻繁にアメリカ大使館員=CIAと会っているとされている)前原を沖縄担当、日米同盟論者の岡田を外務に持ってきた時点で、その本気度は疑うべきものだった。

最後は、佐野事務次官に誘導されて完全に外務官僚の手に落ちた。

個人的には嫌いではないタイプだが、政治の場に一緒に立ったら面倒みきれないトップのタイプだ。
人間認識も組織も権力も、この人にかかるとみんな薄められて、軽いものになっている。
有能な部下が必死でリアリズムに徹して、尻拭いしないと持たないタイプだろう。

残念ながら、平野が無能すぎ、民主党が何を担わなければいけないのか最後まで無頓着な官房長官だった気がする。
平野がやり手の政治家だったら、鳩山総理の素人性と素朴さは生きたかもしれない。

次は菅直人だということだが、鳩山よりはまだいくらか権力がわかっているように思う。
またあの惨めったらしい鳩山総理の弁明より、押しの強さと勝負勘はいいように思う。

平成の総理は世襲総理ばかりである。

菅直人はたたき上げでのし上がってきたところだけでもましかもしれない。

いずれにしても世襲総理だけはもう勘弁してほしい。