■参院選民主党敗因の識者の粗雑な総括

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ただの選挙民のわたしが総括しても意味がないのだが、しかしあまりに識者や文化評論家が粗雑な断片的総括を垂れ流ししてくれるのでちょっと乱暴なコメントをせざるをえない気持ちになった。

まず私ごとでいえば、内田樹他多くの識者と言われる連中が民主党の大敗を予測できなかったと懺悔しているが、わたしはほぼ的中させていた。

菅総理が最低54議席は確保と予測したとき、わたしはmixiにマックス52がいいところで、総理の消費税発言で7議席は既に失っているだろうと書いた。

当然50を割り込むこともありうると見ていたし、菅総理も枝野他執行部も舞い上がっていると忠告も書いた。

わたしの予測したマックス52から7をひけば45議席である。ほぼ的中といえるだろう。

また敗因についても、訳知り顔の評論家やコメンテイターの多くが、菅総理の消費税発言は影響していないと述べているが、これも全く見当はずれである。この件は7月21日のNHKの世論調査が既に結論を出しているのだが、問題は否定する識者の挙げる理屈である。

以上の経緯を踏まえて、まず民主党の得票結果の特徴をみておこう。

1.得票数では自民党を上回った。
   民主2275万票。
   自民1949万票。

2.一人区では大敗。
   自民党21勝8敗で大勝。

3.二人区(18区)では全区で議席数は自民とほぼタイ。
  民主20議席VS自民18議席

4.二人区得票数では全区で民主が自民に大勝。
  得票数が下回ったのは福岡区1区のみ。

純化して言うと、民主党は1人区ではほぼ壊滅、二人区では議席数は確実に確保しなおかつ得票数で自民党を福岡区以外の選挙区で圧倒した、ということである。
これは毎日新聞の某記者の指摘している特徴だが、概ね正しいだろう。

反小沢派は、二人区2人擁立は共倒れになるとして一本化しようとしたが、安住選対委員長は結局2人擁立を認めた。

結果は18区で一区も共倒れはおきなかった。
しかも得票数では自民党より福岡区を除いて全てで勝っている。これは比例区での得票数に大きなプラスとなって比例候補者の当選者数を確保することにつながった。

この2人区での浮動票の掘り起こしがなければ、比例区当選者はさらに減っていたことがうかがえる。ドント式を知り尽くした小沢の狙いどうりであった。

小沢の発掘擁立した浮動票狙いの二人目候補は、落選はしたものの得票数で大きな貢献をしたことが解る。

こうした結果を無視して、反小沢派は敗北原因を小沢になすりつけ「金と政治」の問題だったとか言いたげだが、それでは菅総理誕生時点で60%もの支持率に回復したことが説明がつかないだろう。

小沢離党勧告発言の牧野聖修や枝野などの無責任総括が、いかに歪んだ恣意的な小沢排除のものかが解ろうというものだ。

昨日(7月21日)のNHKの世論調査によれば、敗因の第一が民主党政権運営自体を×が約50%弱、第二が消費税発言約40%弱となっており、消費税発言はやはり大きな拒否理由となっている。

これから言えることは、民主党マニフェスト破りや政治主導の後退など運営に騙されたという意識と、恐らく「政治と金」問題も含めて民主党自体への失望感が第一であるということだ。

これは鳩山−小沢の対米対等自立政策への危機感をもったアメリカCIAジャパンハンドラーズと、その意向を代弁したマスコミと検察特捜の二人へのネガティブキヤンペーンがみごとに勝利したということでもある。

アメリカは講和条約後も、一貫として「心理戦」による日本占領政策が取られてきたわけだが、特にアメリカを無視し自主独立で走った田中角栄の系譜である小沢への警戒感は強く、小沢潰しには国内のCIAエージェントを総動員したことだろう。そして半ば成功した。

それほどジャパンハンドラーズの危機感が大きかったことは、たかが政治資金の記載もれ程度の問題に、あれほど執拗に検察・マスコミを使って小沢排除のネガティブキャンペーンを張ったことでも解る。

何度も言うが、従来記載漏れは修正申告で済んできたし、同様の問題は自民党議員にも何人かいたにもかかわらず一切捜査さえされていない。

またあたかも斡旋収賄でもあるかのごとく虚言壁のある水谷建設社長の「裏金証言」を検察は証拠としたが、結局証言自体がウヤムヤとなりその証拠は確認できていない。

しかしNHK世論調査の第一の理由からは、このネガティブキャンペーンに嵌まったB層がかなりいたことは否定できない。

それ以上に、反小沢派の閣僚自体が官僚=事なかれ主義親米ポチに取り込まれて、鳩山の対米自主独立を目指す普天間問題を潰すというテイタラクだから、これはもう反小沢派が自ら民主党の敗北への道筋をつけたと言っても過言ではないのだ。

菅総理は、おそらくこのジャパンハンドラーズと官僚の暗躍を何処かの時点で理解した。そして学習しすぎた。政権延命を図るためには、とりあえずこのジャパンハンドラーズと追随する官僚とメディアを敵に回すことは避けて、自分なりの色をどこで出すか?と考えたと推測できる。

それは米国との関係に抵触しない分野であると。それこそが、官僚に因果を含められた消費税だった。また増税によって財政赤字を解消することはアメリカにも喜ばれることだと知っている。

さて問題はTVやブログにみられる菅総理消費税発言が敗因ではない、という連中の理屈である。

もし総理の発言が原因なら、先に消費税を公約に掲げていた自民党も同様敗北をしたはずだ、それが自民党には票が集まった、共に増税発言しながら民主党だけ負けたのだから菅総理の発言が論理的に原因とはいえない、と言うのだ。

一見尤もらしいが、この理屈には選挙民が全く視野に入っていない。

つまりただの形式論であり、選挙民の情報接触の強度と濃淡については全く考慮されていないのである。

メディアの露出頻度は当然与党が多いし、マニフェスト内容は仔細に報道したり民主党議員をスタジオに呼ぶ頻度も多い。

まして突然気が狂ったように消費税率アップを総理が連呼すればそれ自体スキャンダルで、そのセンセーショナルな報道を、民主党増税としてしかB層はキャッチしなかったはずだ。
しかも発言がぶれて、しまいには検討するだけだという見苦しい言い訳に終始した姿をだれもが嫌悪しただろう。

一方自民党が消費税を同様に上げるということを認識していた有権者はどのくらいいたのだろうか、ほとんどいなかったのではないのか。

新聞を取っていないわたしも、実は自民党のことはほとんど知らなかった。大体主張が予想がつくということもあるのだが、街宣車は来ない、駅頭でのパンフ配布もみない、ニュースも特定のものしか観ない、という状態ではわかろうはずもない。

田村(同志社大政治学)は、菅総理と谷垣党首の人格の違いで説明していたが、粗雑すぎる。

つまり、田村などのアカデミシャンや三宅や勝谷や宮崎やたかじんなどの軽薄なゴミ評論家は、消費税率アップへの誘導の下心が見え隠れするのである。
三宅などは菅総理のこの発言だけは評価しているのだから、明らかである。

メディアでいい加減なことばかりを垂れ流すこうした電波芸者は、反小沢派にはありがたい存在この上ない。

わたしの総括では、鳩山−小沢の脱55年体制政策に期待して民主党政権に仮託した国民の期待を、その内部の親米ポチ派(新自由主義者)と官僚が、期待を侵食し、マスメディアのネガティブキャンペーンに加担し、政策遂行を立ち往生させ、この一連の過程の印象操作が功を奏して今度の敗因をつくったということが最大の敗因ではないか。

そして、そのダメ押しが菅総理の消費税発言とそのブレる無責任性であっただろう。
しかも政権交替で掲げ国民を魅了したマニフェストの影形は霧散していたわけだから、政策理解で選択するある意味のコアな支持者の失望につながったのではないのか。

いずれにしても、政党で選択がしずらく、個々の立候補者の主張と人格で選択せざるを得ない時代になった。

なお、CIAエージェントであるコロンビア大教授のジェラルド・カーティスが官邸の菅総理を訪ねて長時間会談している。(ブログ「世界の真実を求めて!」の指摘)

鳩山内閣の閣僚人選では、自分の推薦した人物がほとんど漏れていると怒ったという情報もあり、道理で菅内閣主要閣僚はほとんど前原派で占められ、小泉や竹中人脈に繋がる若手が多いと思った。

菅直人は結局ただの親米モダニストに変節したのか。市民主義者などというのは結局一皮剥けばそういう程度なのか。

その点では、やはり鳩山は理念の人で、対米自立派という一点でも菅より立派といえる。
ただ、わたしは創価学会に嫌われる菅直人はそれなりに評価し、総理ではない場所でまだできる人材だとは思っているので、頭を下げて小沢との和解をすることを期待する。