■民主党代表選-小沢敗北の向こうに見えるもの

小沢一郎は敗北した。菅直人が多数を制した。勝敗以上に多くの問題と政治の軽さを見せつけた選挙でもあった。

氏名 総ポイント数 国会議員 党員サポーター 地方議員 獲得票 完全制圧地
菅直人 721 412 (206人) 249 60 137,998 (60.5%) 20府県
小沢一郎 491 400 (200人) 51 40 90,194 (39.5%) 4県
無効 10 10 (5人) - - - -
1,222 822 (411人) 300 100 228,192 -

(参照 http://www.dpj.or.jp/news/files/100914touin-touhyou.pdf)
mixiへは即日小沢の政策論と政治活動経緯を踏まえて、この敗北の意味するものの大きさと、小沢自身の「日本改造計画」以降の妥協と混乱が政策主張を不発にし、民主党内での小沢理念の共有の未成熟性が決定的敗北を帰結したと書いた。

このブログでは敗北のもたらすものに視点を置いて長い感想文を書いたのだが、なぜかバックアップが効いていなくて、おかしな処をクリックしたため一瞬で消えてしまった。(泣く)

残念ながらもう再現できず、書く気力もないので防備禄としてメモ風に思いついたことを列記していく。

メディアの扱いが、勝利しても菅直人がよくやったという声は聞かない。小沢の敗北にほっと胸をなで下ろしている様子が画面や紙面から立ち昇ってくる。
メディア、官僚、既得損益層のひそかな嗤いと歓喜がもれてくる。

とりわけ、アメリカ側の感想としてジャパンハンドラーズのマイケル・グリーンがTVで喋っていたが、ずばりアメリカ政府は菅総理には何の感想もないが小沢ではなくて皆胸をほっとなでおろしているとコメントしていた。

アメリカ政府というよりグリーン自身とハンドラーズたちの、日米対等を言う政治家への嫌悪感が言わせていることだろう。

小沢敗北で、再び日本の心理的アメリカ占領が継続し、いまの民主党菅派のような空虚な政治が蔓延して、民主党は何が日本人の課題かも希薄になってアメリカの一州として振舞うことにむしろ喜びを感じていくことだろう。

何よりも今回許しがたいと思ったことは、サポータと地方議員の近視眼的判断である。
自身の選挙と党内遊泳にしか思考が回っておらず、民主党のレーゾンレートルを放棄していく過程に拍車をかけたことだ。
恐らく菅派も小沢派も、当選1,2回議員は小沢の「日本改造計画」など読んではいないだろう。

獲得ポイント制の特徴によって、小沢が制圧した県は4県しかないのだが、そのひとつが沖縄県である。
地方議員、サポーターとも小沢支持で圧勝である。

ついこの間の参院選では候補者すら立てられなかった県が、小沢に希望を託している。
この重みを菅派や鳩山はよく分析すべきである。いかに日本に沖縄県民に寄り添い、普天間他の基地問題アメリカにキチット物申してくれる政治家がいないかを物語っている。
もちろん小沢で全て解決可能だなどと言っているのではない。そういう理念を血肉化し、政策実現の優先順位において奮闘してくれそうだという期待が、いつか現実のものとして招きよせるかもしれないという展望だ。それさえもなければ、普天間で苦しむ沖縄県民に出口の光さえ見えないのである。

本土の地方議員やサポーターは、メディア洗脳によるコロコロ総理を変えるのはまずいとか、選挙の自己都合と自己利益しか考えず、何を課題解決とするかの優先順位に普天間問題をいれずに、沖縄の党友の願いを葬り去っているのである。

このサポーター制度が民主党のポピュラリズムをよく象徴している。

中選挙区と違って、小選挙区になったことで政党とし党本部の力が増して指導力が問題になるなどともっともらしいことを言っているが、今回みられたのは依然として地方議員は選挙地盤の利害代弁と誘導人としての振る舞いでしかなかった。

中にはサポーターの判断と食い違っても、一個の政治家として議員独自の判断を明示している立派な議員もいたが、少数派である。ほとんど地盤サポーターの顔色を読んで動き次回選挙での当選を担保している様子が窺われた。

この30万人ほどの匿名のサポーターは国民からなんの付託もない連中であるにも拘わらず、総理大臣決定プロセスにこれほど強いかかわりをもつということは、代議制民主主義を蝕んでいくことにならないのか。

万一オカルト宗教や他党派支持者が、組織的にサポーターとして介入しても文句はいえないのである。

今回のように合法的に国民に選任された議員得票数が拮抗した場合、このサポーター票が決定的作用をしたわけであるが、匿名のなんのチェックもうけない連中であるがゆえに、選任の失敗があっても全く責任を負わないばかりか、他党支持の国民に損害を与える場合もでてくるのである。それも投票率60%とという気まぐれさが一国のリーダーを根拠もなく決定するのである。

前回いい加減な総理大臣を選んだからサポーターを選挙で落とすというわけにはいかないのである。
まして思いつきのようにドント式を導入しているから、得票数でみればマスコミの事前調査予測ほどの開きはなく菅6:小沢4であるものが、5:1にまで差がつくのである。

こうした代議制民主主義の盲点をついたシステムに対して、どの政党からもクレームがついていないのはどうしたことか。民主党の何でもアグロサクソンへの物真似志向のモダニズムを厳しく糾弾したいと思う。

これは小沢が敗北したからご都合主義的に問題視するのではない。代議制民主主義の根幹に触れる原理的な問題として指摘しているのである。
(つづく)