橋下元府知事への提訴と中田大阪副市長「実績」の噴飯もの

いよいよ橋下市長が、知事時代におこなったWTC購入無駄遣い問題が提訴されることとなったようだ。
この問題をおさらいしておくと、咲洲(大阪湾岸)にあったWTC高層ビルを専門家や議会の反対を押し切ってほぼ独断で購入した。この時の橋下知事のやり方が、反対派へは解散をちらつかせて恫喝し、専門家の言うことは無視。この傲慢ぶりが心ある府民の顰蹙をかった。
ところが3.11の東北大震災の折、なんとこのビルが長周波振動の影響で大きく揺れ半壊した。周辺ビルはどこも被害などなかったのにWTCだけが被災した。職員がエレベーターに五時間も閉じ込められた。
この時点で、移設は職員の半数2000人、残り5000人はいまだに旧府庁舎で二重業務となっている。
さすがに橋下知事もことの重大性に気づき完全移設を中止したが、当初から防災に湾岸であることと大阪の中心部から離れており緊急時の対策本部設置にはロケーションとして不向きであると指摘を受けていた。
購入96億円。撤収するにしても完全移転するにしても移転費用11億円。耐震工事するなら110億円が今後かかることがはっきりしている。

日頃無駄無駄と叫ぶ橋下市長としては何とも締まらない話だ。

今回提訴をしたジャーナリストの西谷文和氏は次のように語っている。

一方、日本はどうだったか?
年収700万円の「隣の公務員」に対して、年収200万円の非正規労働者が「怠けている」「リストラされないのは不公平」「ダメなヤツはクビを切れ」と、その怒りを向けた。
しかし怒りの矛先が向かうべきだったのは、「株式の投資で年間何十億円もの所得を得ている人々」「内部留保を溜め込みながら、労働者のクビを切り捨ててきた大企業経営者」「そんな富裕層から献金をもらって当選してきた政治家たち」ではなかったか。
日本の株式所得に掛けられる税金はわずか10%だ。そして新富裕層は株や証券の投資で、巨額の富を築いている。
ではなぜそこから税金を取らないのか?ちなみにフランスは株の所得に30%課税している。なぜ毎日の生活がギリギリの人々が消費税を10%も取られようとしている時に、この株式所得への極めて低い課税率が問題にならないのか?
本来なら、非正規雇用の労働者と公務員が連帯して、「富裕層からもっと税金を取れ」と言うべきなのに、なぜ「底辺同士で」争っているのか?
橋下新市長は一部で「ハーメルンの笛吹き男」と言われている。笛の音に釣られて洞窟に閉じ込められた子どもたち。
この場合、確かに笛吹き男には罪がある。しかし「だまされてついていった子どもたち」に罪はないのか?
「だまされるな、この王様は裸だ!」と叫ぶ子どもになろう。
私はこの笛吹き男、いや大阪新市長を相手取って、WTCビル購入と庁舎移転の問題について、来年早々から裁判をすることになる。WTCビルへの府庁舎移転に伴う巨額の税金支出に関して、橋下徹前知事の責任を明らかにし、彼にそのお金を支払ってもらおうという裁判である。
提訴は1月12日になる予定だ。


1月6日に弁護団と会議をして、訴状が完成。裁判のポイントとなる点を整理しました。同時に提訴の段取りを決めたので、以下お知らせします。平日の午前中なので、集まりにくいかもしれませんが、たくさんの原告とサポーターで提訴し、「大勢の府民が、この税金浪費を許していないぞ」というところを示しましょう。
日時: 1月12日(木)午前9時半 大阪地裁玄関集合
提訴: 同日午前10時頃
集会: 提訴後、裁判所の隣、弁護士会館で集会

集会終了後、記者会見。
以上です。
なお提訴にあたって、例えば「橋下さん96億円返して」「2重行政解消を言う人が2重庁舎に」「WTCビルは地震で壊れる。欠陥ビルに府民の税金」
などのプラカードや横断幕を持ち寄って参加していただければ、ありがたいです。みなさんのご参加お待ちしております。

http://www.nowiraq.com/blog/

何が本当のことなのか?
何が本物なのか?
これらが複雑化した社会で解りにくくなっており、特に若者が積極的であるほど騙されやすい世の中になってきている。

前回の「保育ママバンク」問題でも、その「善政」の本質を書いたが、政治のポビラリズムによる実績証明ではなく、本当のヤングママの安心できる施設のためには、行政の責任を一つづつ明らかにして、問題点の改善をしていくことが大事だろうと思う。


さて、副市長に就いた中田宏氏は横浜市長時代の行政実績を吹聴して本まで書いているようだが、それが噴飯もので詐欺まがいのいかがわしい手法によっていることが暴かれています。
へたをすると大阪市は中田氏に食い物にされ、私物化される恐れがでてきました。橋下氏が騙されているのか承知の上で招聘したのか、どちらにしても中田氏には警戒する必要があります。
以下横浜市議からの告発。

「橋下大阪市長の懐刀、中田宏横浜市長を現役市議(太田市議)が実名告発」
自身のスキャンダル報道の真相と地方政治の実態を記した前横浜市長中田宏氏の著書『政治家の殺し方』(幻冬舎刊)。市長在任中から中田氏を追及してきた太田正孝市議は、同書の内容について「すべてがゴマカシ」と憤る。前編ではスキャンダル報道の"本当の真相"について語ったが、後編に当たる今回は虚飾に彩られた疑惑まみれの中田市政の実相を明らかにする。

――中田氏は、横浜市長時代に行革で約1兆円もの負債と市職員6,000人の削減を実現したと同書の中で触れていますし、自身も至るところで吹聴しています。今回、大阪市の区政改革のまとめ役に就任するのも、そうした実績を橋下市長が評価してのことだと思うのですが......。

太田 市職員6,000人の削減といっても、定年退職などに伴う自然減と、多くは外郭団体に職員を移しただけで実態は何も変わっていない。別に行革の成果でもなんでもありませんよ。横浜市の借金を1兆円減らしたというのも、そこには"カラクリ"があるんです。

――そのカラクリというのは?

太田 中田氏がいう「1兆円」とは、市債残高で約4,400億円、横浜市建築助成公社の借入金残高で約3,400億円、横浜市土地開発公社の借入金残高で約1,200億円などをそれぞれ減らしたといったようなことを指しているのでしょうが、これが大きなまやかし。公社関係の借入金は中田氏が減らしたわけではないし、これらの借入金は本来、横浜市の負債にカウントすべきものではないんです。

――どういうことでしょうか?

太田 横浜市土地開発公社の主な業務は市営の駐車場の管理運営などのほかに、住宅の建築・取得のために横浜市民へ融資を行うことなんですが、要は同公社が金融機関からお金を借りて市民に住宅資金を融資しているわけですよ。つまり、"銀行からの借入金=市民への貸出"だから、純粋な負債ではないわけです。同公社の借入金残高が約3,400億円減ったというのも、それは市民が普通に同公社へ返済しただけのこと。別に中田氏の行革の成果ではありません(笑)。横浜市土地開発公社の借入金にしても土地を購入するためのもので、資産として土地が残っているわけだから、こういうのは負債にはカウントしないんですよ。

――なるほど、ということは中田氏が純粋に減らした負債というのは市債残高分の約4,400億円なわけですね。

太田 そこも微妙で、実は横浜市には中田市長時代に作った約1,000億円もの"隠れ借金"とも言うべき負債があるんです。

――自治体が市債を発行しないで借金なんてできるんですか?

太田 ところができるんです。たとえば、横浜市が施設を建てるといったようなとき、通常は市債を発行して資金を調達するのですが、「PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)」という手法を使えば、市債を発行せずに施設を建てることが可能なんです。つまり、市債を発行しないので、見かけ上は横浜市の借金がないことになるんです。

――PFIというのは、どういう手法なんですか?

太田 施設の整備から資金調達、サービス提供までを民間業者に委ねて、その代償として自治体は"施設提供サービス購入費"を民間業者に支払うという手法です。正しく行われれば自治体にとってコスト削減にもなるし、民間の力を最大限に活用できるのですが、横浜市の場合は極めて不健全な形で行われてきました。というのも、民間業者がノンバンクなどから高金利の資金を調達して建てた施設を横浜市が借り入れるという形を取っていたんです。

――つまり、結局は横浜市がその高金利を負担しているというわけですね。そうしたノンバンクの金利は市債の金利より当然高いわけですから、起債による借金よりも市の財政を圧迫しますよね。

太田 そういうこと。バランスシート上の借金を減らすために、中田市長時代の横浜市はこんなインチキをやっていたわけです。実態はただの"粉飾決算"ですよ。そう考えると、中田市長時代に減った借金なんて3,000億円程度。それも、「受益者負担」だとかいって以前は無料だった公会堂などの使用に料金を課したり、税収をアップさせたりと別の形で市民からカネを巻き上げていますから、中田氏が称する行革とやらで減らした借金なんてもっと少ないでしょう。

――じゃあ、橋下市長は中田氏のそうした"まやかしの実績"にダマされちゃったわけですね。

太田 彼は"人たらしの名人"ですからね。横浜の大物財界人から聞いた話なのですが、その財界人と寿司屋で同席した際、中田氏が上着を脱がないのでその財界人が促したところ「私は●さん(財界人のこと)が上着を脱ぐまでは脱ぎません」といったようなことを中田氏は言うんだそうです。その財界人はいたく感激して中田氏を支援するようになったそうで、そんなことぐらいで中田氏を支援するのもどうかと思うけど(笑)、ことほど左様に中田氏は人に取り入るのが上手いわけです。しかし、「開国博Y150」の大失敗でいよいよゴマカシがきかなくなって、任期途中で逃げ出しちゃったわけですよ。

――25億円もの大赤字を出したY150の大失敗は、どう取り繕っても申し開きができないですもんね。

太田 市議会が参考人招致を求めても、多忙を理由に逃げ回っていますからね。こんな本を書く暇があったら、まずは議会へ出て横浜市民にきちんと説明するべきでしょう。それに中田氏が市長を辞めても、彼が残した"負の遺産"は今でも横浜にダメージを与え続けているんです。

――どういうことでしょうか?

太田 中田氏は市長時代、自分と親密だった企業や個人にさまざまな便宜供与を図っているんです。たとえば横浜の観光名所の1つであるマリンタワー、あれは横浜市からの委託で地元の不動産会社が管理運営を行って月々のテナント料を横浜市に支払っているのですが、いくらだと思いますか?

――マリンタワーの展望台だけでも年間収入は約2億円だそうですから、月に支払うテナント料も相当なものなのでしょうね。ほかにもレストランやショップがあるわけだから......。

太田 ところがたったの240万円。マリンタワーのテナント料を設定するに当たっては専門家が鑑定したそうなんですが、横浜市の観光に活用されるスペースについては基本的にタダという訳のわからないルールをデッチ上げて格安のテナント料にしちゃったんですよ。2億円も収益を上げている展望台部分のテナント料がタダですからね。事業者の選定についても露骨な"出来レース"だったし、あり得ませんよ!

――そこまで便宜を図ったということは、その不動産会社から中田氏へ対してなんらかの見返りがあったということですよね。

太田 その不動産会社から中田氏へ数百万円の献金があったことが確認されていますが、実態はそんなものじゃきかないと思いますよ。それと市役所の駐車場ですが、なぜか民間業者が管理運営しています。

――ああ、あれ、市役所の駐車場というのは行政財産なのに、なぜ民間がやっているのか不思議に思っていたんですよ。

太田 民間に委託したほうがコストを削減できるというのが横浜市の言い分ですけどね。あの駐車場は市役所に用がある人は1時間無料なんですが、それ以外のクルマの駐車も認めて駐車料金を取っているわけです。土日なんて市役所が休みだから、バンバン駐車料金が入ってきて業者は大儲け(笑)。あまり感心できるやり方ではないにせよ、それでも業者から委託費が入れば財政の厳しい横浜市にとっては少しでもプラスになるのかなと思っていたのですが、実は横浜市は業者から委託費を取っていない。つまり、業者にタダで市役所の駐車場を貸して商売をやらせているんです。

――えっ、じゃあ横浜市にとって何のメリットもないじゃないですか!?

太田 だから、これも中田氏が市長時代に行った露骨な便宜供与なんです。こうしたケースは他にもあって、彼が市長を辞めた後も契約上の縛りがあるので今でも続いているんです。結局、中田氏が市長時代にやったことなんて横浜を私物化しただけなんですよ。今度は大阪市政に携わるようですが、私は大阪の人たちが彼に食い物にされないかと非常に危惧しているんです。
(取材・文=サイゾー牧隆文

http://www.cyzo.com/2012/01/post_9514.html