事実であれば、後藤健二さんへ深い哀悼の意を表します。そして安倍官邸の失敗を糾弾する。

以下、テロリストの宣告。

今日 06時10分 JST


男は動画で、以下のように話している。

「日本政府に告ぐ。安倍、お前は愚かな『有志連合』に参加し、イスラム国の権威と力を理解していない。

安倍、勝ち目のない戦争に参加するというお前の無謀な決定で、このナイフは健二だけでなく、お前の国の国民を殺す。日本の悪夢の始まりだ」


後藤さんに哀悼の意を表したい。
歴史には往々にして、優しい人が寄り添う人たちから、反逆の犠牲となる逆説が生じる。
後藤さんが、ネトウヨで人の痛みや傷口に塩を塗るような性格なら、紛争の中東の子供達を気にかけて取材にも行かなかっただろう。
ネトウヨのように、自分たちに批判的相手は全て敵として、殺せとか、排除してしまえと集団で恫喝する人なら、田母神氏の弟子湯川さんを助けたいなどと行かなかっただろう。しかし後藤さんとは、考え方が180度違う湯川さんを助けたいとリスク承知で潜入。
後藤健二さんは、後世に世界の人々から、良心のひとと讃えられ、語り継がれるだろう。

今回の事件は、多くの失敗と問題点があるのだが、今後後藤さんの弔いとして論議すべきだが、今は二つだけ指摘しておこう。

まず驚きは、安倍総理の発言が後藤さんへの哀悼の意からは程遠く、後藤さん自身への言及はなく、政治信念を叫ぶだけであることだ。

1.今回のテロで戦争へ本格的加担し、ドロ沼へズルズルと引きずりこまれること。
過去にも日本人はテロで殺されている、という意見があるがそれはこの長い戦争が理解できていない。同時に日本の戦後政治と自民党政治も分かっていない。

3.11や国連の支援で亡くなった日本人は、ヨーロッパアメリカがターゲットのトバッチリか、当時から現地でイスラム原理主義者が外人排斥のなかでの無差別殺害であった。
だが、今回安倍総理の中東訪問と中東有志連合国への支援、イスラエルとのイスラム国殲滅共闘宣言の直後に発生しており、このテロリストの発言にもある通り明らかに名指しで日本人をターゲットにした、ということである。
過去のテロ犠牲には、名指しはされていない。
ここは、やはり安倍政権が成立して一気に発生してきたことをみておかなければならないだろう。

この新たなテロターゲットのステージは、戦争当事者へ転換しようと進めてきた安倍政権の愚策の結果である。

国民は、安倍政権は国民のけしからんテロリストは消せという沸騰をテコに、軍事介入を進める算段をするだろうが、それは益々日本人の命を血に染めることになっていくだろう。阻止することだ。その道は後藤さんが望む道ではないことだけはハッキリしている。

2.後藤さんの身代金を支払うと、今後日本人がターゲットになるとい謬見。
先日も書いたが、身代金を払った後も次々に殺害された国はない。
起こっているのは、イスラム原理主義への冒涜やイスラムへの抑圧発言と彼らが感じた折に触れての国内テロである。

国家が個人の命を保証「しない」、のではなく「できない」ような外交政策自体が問題で欠陥があるという常識に立ち返って、冷静に考えることだ。

身代金を払うことと誘拐殺害の人数との間に、どのような因果的関数があるのか、どこにも証明したものを政府も専門家もマスコミも出してはいなかった。
にもかかわらず、この言説を簡単に多くのB層は乗った。洗脳の思考停止である。

当初段階で10億円をネゴで少額に値切りながら、「人命はいかなるものより重い」とした自民党の良質な保守を踏襲して支払っていれば、ヨルダンを巻き込みややこしい解決の難しい要求は避けられたたずだ。
後藤さんは誘拐保険に入っていたということだから、2億や3億は出せた。ヨーロッパの保険会社の過去民間人の支払い平均相場は2億数千万円だと述べている。
政府にも報告せず極秘裏にネゴシエーションするらしい。
勿論政府が知って知らないふりをしている場合もあり、ケースバイケースだと。
なぜ人質の殺害予告が出ている間にも、ネゴもせず、安倍総理は声だかにイスラム国を非難し刺激し続けたのか。
ここに官邸の本音を読み取らない国民は自分の命も粗末にしていることを知らなくてはならない。

今回国民より、短い犯行声明にテロリスト側の方が正確に日本の動きを分析していることが感じ取れる。少なくとも、戦争当事者のテロリストが見ている世界図式が分かる。

戦争は相手があり、相手の言い分を読みながら対応しなければ、治らない。安倍総理のように自分の主観と武器商談成功の為の衣の下の鎧をチラつかせた発言こそが、これからも日本人テロ標的を促すはずだ。
相手がそういってるんだから、身代金の話にすり替えたらいけない。

いずれにしても、これでイスラム国のシンパが日本国内でテロを実効する可能性は飛躍的に増えた。
オリンピックは血塗られた中で開催されることは本気で覚悟することであり、原発の防衛は喫緊の課題だ。

これは戦争準備とは別だ、あくまで国内日本人を守る為である。