オバマがヒロシマ訪問で謝罪しないアメリカという国の根本的思想---宇沢弘文発言

パナマ文書」が発覚し、世界のグローバルエリートたちが220兆円も「脱税」による資産形成をしていたことが世界的ニュースとなって駆け巡っている。

あの金持ち排外主義者トランプ大統領候補が、選挙中盤へきて、中間層を豊かにし金持ちに課税するなどと言い始めた。トランプは暴言からまともな発言へ切り替えてきている背景は、専門的に緻密な世論マーケティングをしているからだとも聞こえてくる。

またどの大統領候補もTPPは批准しないと公約しているなどは、明らかにアメリカを席捲してきたネオリベラリズム市場原理主義を軌道修正しようとしているようにも見える。しかし、それは衣装のすげ替えにすぎないのではないか、アメリカという国の根底を流れる思想はなんだ、そして特に開国以来の日米の「修好」とはどのようだったのか。

ノーベル経済学者ポール・クルーグマンの師匠に当たる故宇沢弘文教授が、長い経済学と日米研究のなかから、アメリカの基本的政策の根底にある思想を解説している。

宇沢弘文を知ったのはもう50を過ぎた頃だったと思う。
これほど高名で、誠実な知識人を知らなかったことを恥じた。「社会的共通資本」という概念を正当に位置づけた経済学思想は、アメリカでは高く評価され、弟子にはクルーグマンのようなノーベル経済学者も排出している。

この収録後一二年して幽明界を異にされたが、世界的に大きな財産を失った。

この映像資料は、TPPをテーマにして民主党政権の折に採録されたもようだが、改めて観ると、今回オバマヒロシマ訪問をするにあたり謝罪はなされず、不必要な安倍総理が同行する意味が、宇沢教授の発言でよくわかる。


これは日本のみならず、アメリカから発せられてきた世界経済が、どのような思想的背景をもっているかぜひ知っておくべきだろうと思い、改めてアップしておく。
潜在意識へ根拠もなく刷り込まれてしまった「アメリカ神話」の人たちには必見であろう。