森康行監督『ワーカーズ被災地に起つ』鑑賞ーGoodです!

森康行監督『ワーカーズ被災地に起つ』を観ました。

最近は東北被災地の復興情報もなかなか報道されない。ボランティアはとうの昔に引き上げているだろう。その後は、被災者だけで取り組んでいるのだが、この映画は、われわれの知らないところで、静かに進行する地域の人々の未来へ向けた働き方と地域再生への取り組みをリアルに教えてくれました。

地域行政など素人なので、驚きをもってこの取り組みを観たのだが、これは成功するのではないかと思いました。

パンフにはこう説明されています。

「高度成長の終焉から半世紀。
急激な人口減少社会、ますます広がる貧困や格差は、否応なく私たちに様々な価値観の転換を求めています。
そんななか起きた2011年3月の東日本大地震ーそれは、被災地のみならず、いまを生きる私たちに、改めて"これから、どう生きていくのか"という問いを投げかけました。
本作は、これまで長きにわたり、競争、効率、自己責任⋯ではなく持続可能な社会への仕組みづくりを地域の人とともに模索・実践し続けてきたワーカーズコープ(共同労働の共同組合)による被災地での被災地の様子を2016年12月までの22ヶ月にわたって記録したものです。」

地域の人々が、自分達で事業を立ち上げ、労働者を確保し、経営も担う、という自主自律の協働を、被災後の空洞化した町や限界集落の村人たちが、障碍者や引きこもりと共生していく様子は、暖かく、観ていて希望を抱かせてくれます。

難しさも、失敗もあるのかもしれないが、ヨーロッパ発のこうした運動は、説得力があるし、集う人たちが生き生きとしていることが、日本での定着を確信させる。

この運動は、一般社団法人日本社会連帯機構とこが母体のようだが、行政の委託によるもののようだ。

実体はよく知らないのだが、それなりの運営資金はあるように見受けた。

たまにはこのような地味だが、大文字の正義ではなく火文字の未来に取り組む映画もいいものです。

森監督のトークショーもあって、かれの見るからに優しい風貌が、そのまま映画になっていたように感じました。