TBSテレビ制作、佐古忠彦監督『カメジロー不屈の生涯』鑑賞。
カメジロー第二弾です。
瀬長亀次郎の抵抗と沖縄人民愛の生涯をドキュメンタリーとしてまとめた映画です。
カメジローは、生前毎日日記をつけており、生涯では大学ノート250冊に及んだ。
それをTBSの佐古忠彦が監督してまとめた映画です。
佐古は筑紫哲也時代NEW23を支え、政治部記者、現在JNNドキュメンタリーフォーカスに所属。
挨拶では見た顔だなと思ったが、まさかあのアナだとはきずかなかった。
筑紫哲也に鍛えられたか、いい監督になっていた。
映画は日記を中心に、カメジローの人権確保の反米反基地闘争の歩みを淡々と追っていく。政治的時間を縦軸に、家族と人民との同士愛を横軸に、語りが中心でありながら、緊張感に満ちた映像に仕上がっています。
実にカメジローの暖かい、普遍的思想としての闘争理念、また人間愛を焼き付けた。映画としては成功しているでしょう。
欲を言えば、もう少し政治事件のドキュメントを多くしてもよかったかなと思う。
エンディングが圧巻でありました。
カメジローが国会議員になって、返還問題で佐藤栄作と対峙します。
予算委員会の、カメジローと佐藤の長尺で納めた丁々発止のやり取りは、当時の国会の、また政治家の在りようをよく表現していて、安倍晋三に見せたいと思った。
(アホは観ても何も感じないかもしれない)
カメジローは沖縄人民の側からの殲滅戦を背負った歴史を踏まえ、佐藤を追求します。
佐藤は、よく解るが、そんなこと言われても今基地があるのが現状だから、どうしょうもないことだ。これから失くすよう政府としても努力するんだと言ってるだろうと切り返す。
延々と対決は続く。
亀次郎は凛として滔々と演説をぶち上げる。
佐藤は正面から答える。
この間、ヤジひとつ飛ばない、
カメジローも、佐藤も、答弁書などの資料ひとつ持っていない。二人とも体の中から迸るように言葉が発せられます。
閉会後、佐藤はカメジローのところまでいって、
カメジローが質疑で掲げた著書(「民族の悲劇」?)を貸してくれと申し出たというエピソードが残っている。
政策の違いで対立しても、この頃の政治家は、相手を理解しようとする努力と、民族的課題を共有していた幸せな時代であったことが覗われます。
今のお子ちゃまランチ的、否、猿山の政治家たちに見せたい場面でありました。