余りに安倍内閣批判者たちが頓珍漢なので、メモしておく。
安倍政権は、画期的な変革をやり遂げたことは評価しておかなくてはならない。
何か、官僚の人事権を掌握したことである。
日本の官僚制の優秀さは周知のとおりである、しかしそれは同時に省益にまみれ、変化を嫌う体質を組織原理としてしまっている。
官僚論として流布されているので今更詳細は省く。
この安倍内閣は人事権を掌握することによって、あれだけの悪事ができたのであって、
徹底した官僚人事統制で、政治主導の論功行賞による政治の悪事が可能になったのである。
やっと二大政党制による政権交代を二度ほど経験したが、これとてもどちらかといえば保守主導で、いわゆるリベラルという勢力はまったく政治ができずに崩壊している。
安倍が官僚人事を握ったことが秘訣はなにか、統制の方法と実施の巧妙さを知っていたことによる。
前民主党政権時のように、官僚の組織改革などと言って、組織そのものを削るような攻め方では、一挙に反撃をくうのだ。
まったく組織というものが分かっていなかった。
組織は、すべからく自己防衛的であり、変革を嫌うことを旨とする。
これは企業の改革でも全く同じで、前民主党やその善良な改革者たちが間違うのは、猛々しく組織改革を押し立てて反発をくうのだ。このやり方は大方うまくいかず、各論で骨抜きにされ失敗に終わる。
安倍政権は、経営巧者のやり口を真似た。
すなわち、人事権だけを一点に絞って攻略した。
あとは、菅の宣言しているように、言うことをきかない者は左遷し、意に沿った仕事をしてくれるものを重用し昇格させる、これによって官僚自らが組織原理を超えていく。
しかし、安倍政権は、官僚を政治に従属させる本当の意義と必要性について真逆の方向に走り、結果は悪党のそしりを免れない。
官僚組織の解体がなぜ必要か。
一言でいえば、特別会計の国民への奪還である。
菅新総理が、早くも官僚に意に沿って仕事しない者は飛ばすと明言しているが、このこと自体はしっかり統制手法として評価し、もし野党が政権交代したとしても、手放してはいけない。
そして徹底的に官僚のサボタージュと省益内権益を明るみにして国民のための予算に繰り込むべきである。
菅が官僚を恫喝しているとか、左遷されたとか、それらをさも問題のように批判するが、
批判するのはそこではなくて、人事権を私利私欲と政権の悪事に使っていることである。
人事権のみごとな掌握は、今後の国民の政治のために評価しておくべきである。