俳愚人 blog

無名著述家、無名俳人、著書数冊

トランプ関税政策はトッドの指摘の回答となるのか⁈ー工業資本の再構築

エマニュエル・トッドが、ロシアの発展を予測し、アメリカの衰退を断言した。それは確か3年前ウクライナ戦争開始直後だったように記憶している。
その判断の根拠は、人口比の工業エンジニアの人数であった。
アメリカは、すでにロシアの半数しかエンジニアがいなくなっている、というものであった。
この傾向は、産業構造の変化で、学卒エリートが高給の取れる金融や弁護士やITに入っていくため、技術系エンジニアが従来の工業に行かなくなってしまった。
いや、行かなくなったのではなく、工業資本の利潤率が悪化し、安い外国製品を輸入するか、資本の外国への転移を行ったため、国内の工業が空洞化してしまい、就職先がなくなったのだ。
 こうして、いわゆるラストベルトが民主党からトランプ一色に変わったのだった。
トランプが関税政策に熱狂し始めて、私はリベラル的見地から、課題に逆行してバカなことやってると思った。
しかし、今回のトランプに高市が日本を売り渡した内容をみて、トッドをふと思い起こした。
トランプの要求は、一言で言えば、アメリカ産工業製品の押し売りと、工業産業への投資が中心であり、奴は解っているじゃないかと、唸ってしまった。
白人中間層の没落を救うためには、ほどほどの高工業産業の回復であり、自国産業を復活させることだと遮二無二突っ走っている。
豊田の莫大な投資と米国生産車の逆輸入計画の発表をみれば、あれだけ円安誘導や消費税還付を国民の税金を使い放題使って、特別枠を作って安いブラジル人を呼び寄せながら、日本人の雇用などほったらかしにするわけだ。
トランプ関税は、工業産業資本の「略奪」のディールに使たのだった。
韓国原潜建造も許可を出したが、建造はアメリカで行うという条件だ。
高関税はアメリカ人が一次的には負担するわけだが、それ以上の雇用と高収入をもたらせばいいわけで、積極財政ができない日本政府と比べると戦略が明確である。
この関税政策をトランプに実行させているのは、さまざまの新興右翼のなかのリフォーミコンであるが、右翼側から、観念的右翼ではなく、現実的課題解決を進める右翼が登場している点でも、日本のアホ宗教右翼などよりまともなようである。
さて、トランプ政策はそうはいっても、仮説である。
結果は神のみぞ知る。
私がトランプが決定的に見落としている点が、エンジニアを増やす教育が衰退しており、この産業エンジニア育成が欠落したまま、あるいは育っても時間が追い付かないだろうという問題だ。
ロシアは、トッドの予測に反して、戦費と経済制裁が効いてきて、日本の親ロシア派の強気の肩持ちもいよいよ底が見えてきた。
ロシアも中国も実質成長率は1%いくかどうかだという見方が真実味を持ち始めている。
確かに一寸先は闇の時代、
それにしては、高市もマスコミも国民も何を浮かれて、何をニコニコしてるんだ?
高市は穴の毛まで貢いでるんだぞ。