私が断片的に述べてきた高市の経済政策を、概論としてよくまとめてくれている。
アベノミクスは、基本的には反対はしなかった。しかし2度にわたる消費税の税率の値上げは、安倍と黒田日銀総裁の愚策であった。ネオリベの仕掛け人白石教授の意図も分らず、踊りまくった。白石は、安倍の狼狽えに、最初から国民は貧困が浸透すると説明しないからだ、私はその様に言ってきたと嗤っていたのである。
安倍政権の後半、安倍がインフレ2%が起きず、トリクルダウンも起きず、どういうことだと盛んに経済専門家に聴いていたという。
それは、経済音痴のアクセルとブレーキを一緒にやったからなのだが、黒田は退任しても消費税税率値上げは正しかったと述べている。
現在、プッシュ型インフレが加速して、2%をはるかに超えてしまっている。
その段階で、アベノミクスの二番煎じをする高市が、やはり経済音痴であることに恐ろしさを感じている。
私は、積極財政歓迎であるが、既にその段階を過ぎた。
やるとしても、れいわ新選組の提案している、コストプッシュ型の国債投入でなければならない。緊急避難的な、国民の消費の活性化と賃金上昇対策に重点特化しなければならない。
だが高市の政策は、企業へのテコ入ればかり、国民の生活関連へはすべてひっこめてしまった。空前の内部留保の企業が、やっていることは、株式投資であり、産業投資ではない。多くは株式投資へ回す足しにしても、産業構造改革がなにを仕込まれていないなかでは、日本の製造業中心の産業構造は変わらない。ムダ金に終わる。
それは、30年前にランキングされている企業名が継続し、あらたなビジネスモデルの企業名はほとんどない。それほど経営者層が、イノベーションする力を落とし、サラリーマン経営者がリスクをとることを恐れ、身の保身に走っている。
サナエミクスの企業流入は、逆に淘汰すべき企業をだらだら生き伸ばしてしまうことにならないか、もしそうなると、相変わらず労働者の働き方も変わらず、女性の奴隷労働が続くことになるだろう。
(註)サッチャーは、この記事にも書いてあるが、高市政策と真逆である。もともと労働党ブレーンのギデンズの理論であった。それを保守的に換骨奪胎しネオリベの先駆けとした。米国のトロツキストが輸入し、新自由主義者フリードマンらがイデオロギーとしてブラッシアップした。
この時、米国で対抗していたのが、宇沢弘文「公共財」概念であった。
2025年12月12日 06時00分東京新聞会員限定記事
高い支持率を誇る高市早苗政権だが、海外から辛らつな言葉がぶつけられている。発信源は、日本でも知られる複数のメディア。多額の税金投入をもくろむ財政政策を「時代遅れ」「自滅的」と断じ、高市氏が尊敬する英国の元首相に絡めて「偽サッチャー」とも。こうした論評をどう捉えるべきか。傾聴に値するなら、どう歯止めをかけるべきか。(森本智之、山田雄之)海外メディアの記事。高市氏に対する辛らつな言葉が並ぶ
積極的な財政出動で需要喚起を促し、国内産業の成長で税収増をもくろむが、海外メディアは手厳しい。英ロイター通信が「自滅的」「自民党への支持を損なうリスクがある」と報じれば、英誌エコノミストは「タカイチノミクスは時代遅れ」とつづる。同誌は米ブルームバーグ通信ともども、日本から他国へ一斉に資金が流れる「資本逃避」が生じかねないと記す。「偽サッチャー」と評したのは英紙テレグラフ。サッチャー氏といえば「鉄の女」と呼ばれた元英首相で、高市氏が尊敬する人物として挙げる。英国政治に詳しい早稲田大の高安健将教授は「サッチャー氏は政府が市場に介入せず、経済活性化を市場原理に任せた。高市氏は、経済に国家が介入することに躊躇(ちゅうちょ)がないように見える。経済思想の面では全く対照的」と話す。◆インフレ加速への懸念で円安が進行
同氏によると、日本経済は需要と供給が均衡状態にある。需要を刺激すれば消費増で物価高になる。物の値段が上がれば、円の価値は相対的に下がり、円安になる。そうなると輸入物価が上昇して物価高に拍車がかかる。実際、高市氏が自民総裁に決まる直前の10月3日に1ドル147円台半ばだった為替は、今月11日時点で1ドル155円台だ。日本総研の河村小百合氏は「10年、20年、30年と償還期間が長くなるほど、市場では日本国債は売り込まれている。買ってもらうためにさらに高い金利を付けなければ、なかなか買い手がつかない状況に陥っている」と解説し「政府は満期1年の短期国債を増やしてしのいでいる。自転車操業だ」と続ける。なぜ国債は売れないのか。河村氏は「政府の債務残高は世界最悪レベルに膨らんで、それでも借金を重ねる。まともに返済する気があるのかと市場が不審に思っている」と指摘する。国債金利が上昇すると、利払い費の急増につながる。金利上昇と反比例して価格は下落するので、国債を保有する金融機関などには、含み損が発生する。国債の長期金利を基準とする住宅ローンでも、家計の負担額が増えかねない。河村氏は「日本円も国債と同様、市場で信用されなくなり、円売りが始まっているのでは」とみる。◆マイナス金利を解除したのに円安が
しかし現実には円安に進んでおり、河村氏は「市場から高市政権への警告だ」と強調する。◆財務省が反対しようとも…
当の高市氏が見直す可能性について、政治ジャーナリストの安積明子氏は「政策を大きく変更することは考えられない」と断じる。国会で審議中の補正予算案は海外メディアから批判にさらされても「高市内閣として初の予算案の編成。『強い日本』を掲げる彼女の考え方が込められている」として、「財務省の反対を受けても、抑え込むために同省出身で組織に詳しい片山さつき財務相を据えている」と考える。◆自民も維新もブレーキをかけられそうにない
最大与党の自民は歯止めを利かせられないのか。党内には、高市氏のように経済成長を優先する「積極財政派」だけでなく、財政規律を重視する「財政健全派」の議員も所属する。10月に税制調査会長を退任した宮沢洋一参院議員や麻生太郎副総裁らが「財政健全派」で知られる。安積氏は「高市氏は総裁選で党員票を多く獲得し、勝利した。そして何よりも世論調査の内閣支持率が高い。批判的な考えを表明する議員がいれば、たとえ正論でも、ネットの世界を中心に『敵』と見なされる恐れがある。物申せる状況ではない」と首を振る。連立を組む日本維新の会はどうか。「小さな行政機構」を掲げており、桃山学院大の吉弘憲介教授(財政学)は「大阪では収支のバランスを重視する均衡財政主義を掲げ、支持をつかんだ。国と地方で財政運営の違いはあるが、高市氏の国債増発は維新の政策哲学とは相いれない」と話す。ただ、維新を長年取材するジャーナリストの吉富有治氏は突き放す。「政党支持率が落ち、離党者も増える中、与党でいることがアピールポイントだ。連立離脱したくないのが本音。会場建設費などが大きく膨らんだ大阪・関西万博など実際は積極財政の面もある。ブレーキ役にはならない」◆日銀が打てる手は
インフレを招きかねない状況に対して、「物価の番人」とされる日本銀行にできることはないか。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「日銀に打てる手段は利上げの継続だ」と言う。ここで言う「利上げ」は「政策金利」のこと。金融機関などの間で貸し借りする際の短期金利の上昇を導くことで、個人や企業がお金を借りづらくなる。その結果、世の中に出回るお金が減り、物価上昇が抑制される。◆財政出動のツケは国民に返ってくる
前出の安積氏は「首相が代わった新鮮さや、初の女性首相という単なる期待感の表れでしかない」と言い切り、こう訴える。「財政出動は身近に感じにくい問題だが、結果として物価高による代償を支払うのは国民だ。国のお金がどう使われるか、注視する必要がある」◆デスクメモ
困窮する人は政府が金銭面で積極的に支えてほしい。ただ誰彼もなくバラマキをして物価が急騰すれば困窮に拍車がかかる。大切なのは税金の使い方。副作用も踏まえ、丁寧に考えるべきでは。国民の支持を頼りにする高市政権。国民の声こそ重みを帯びる。黙っている場合ではない。(榊)