俳愚人 blog

無名著述家、無名俳人、著書数冊

妻の追悼句「虞美人草」とはなにか?

妻の追悼句、
「終の日の面影に立つ虞美人草」
について、少しコメントしておきます。
この句のキーは、虞美人草にあります。
虞美人とは、後漢末期の項羽の妻虞がたいそう美人で献身的な妻で、項羽が窮地に堕ちったとき、足手まといにならないために自ら命を絶ちます。
後の世の人が、ひなげしの真っ赤な(今は色々の色がありますが)花に喩て虞を虞美人草と呼びました。
芯の強い自立的な女性でありながら夫への愛と献身、そのアンビバレントを含意しています。
なお、今日は久しぶりに、ジブリの「コクリコ坂から」を観ました。
好きなDVDは揃えていますのでいつでも観れるのです(どうだ参ったかw)。
このコクリコは、ひなげしの花のフランス語から来ています。
主人公の海(これもフランス語ラ・メールから)が、自立心のある聡明で行動的な少女として描いていますが、ここでも虞美人草のイメージを醸し出しています。
なんでも、海が朝日が差し込む部屋で目覚めると、真っ先に布団を畳んで押し入れに入れるシーンから始まります。
監督の悟朗は、妹が横に寝ているのにそれはあり得ないと駿の修正を拒否します。
しかし駿は頑として布団を畳むシーンからだと大激論となり鈴木さんの調整でこのシーンに落ち着いたとのこと。
虞美人草には、私の解釈として、項羽も私も、妻に何一つ幸せなことはしてやらず、夫のためだけに生きて逝った儚い女の象徴としています。
なお、「コクリコ坂から」の挿入歌がどれもいい。
なかでも森山良子の曲、歌手嶌葵「さよならの夏」、
「明日に向かって走れ」、
「Deep Blue Swells(紺色のうねりが)」
はいいです。