■メディア叩きも、今度だけは限界か−国策操作問題


漆間巌が見事にとぼけた。というより、嘘で国民を馬鹿にしたエリート
のこ汚らしさをプンプン放った。こういう高級官僚には、良心とか信義
などという言葉は、己を引き立ててくれる権力者に対してのみあるのだ
ろうか。


国民はバカだから、自分達だけが正しい進む道を知っていて、メディア
を使って洗脳すればチョロイものよと言っているように見えた。


実際、小沢辞任すべし、という世論調査は五割を超えており、未だ捜査
段階であるにもかかわらず有罪と既定事実化した反応である。


確かに、小泉・飯島等は、この大衆社会状況を熟知していて、B層への
徹底したメディア対策で成功させてきた。


メディアの洗脳能力はすさまじい。


しかし、今度ばかりはそうもいかないようだ。


各新聞社の世論調査をみると、それでも小沢VS麻生では、小沢が10
ポイント下げても、まだ麻生は2ポイント上がったにもかかわらず、差
は10ポイントほど小沢が上なのだ。


政党間では、依然これも民主党が35〜40ポイントで、自民の20ポ
イント台に勝っている。ただ、毎日だけが19ポイントと桁外れに低い
民主党支持率を書いているが、これは多分におかしい。まあもう新聞社
といえない、聖教新聞の下請けで、闇雲に現場の記者が正義づらして書
いているから、当たり外れが多くバッタ屋みたいなものだから止む無し。


民主主義とこの国の根本的欠陥が未だわからない国民ではあるが、
ただ、ひとつの光明がある。
それは、民主党支持者2400万人のうち、60%以上が小沢は今止め
るべきでない、としていることだ。


ここ数日の情報の網を拡大していくと、やはりアメリカと親米派(対米
従属派)の圧力はかなり打ち込まれてきているように思う。


まず、小沢の23日「第七艦隊だけでよい。日本は自分のことは自分で
できる。できない分だけ支援して欲しい。」という発言の翌日、鳩山由
紀夫のところへは在日アメリカ関係筋から、民主党は政権をとったとき
大丈夫か、という電話が入った(週間文春)とのことだ。


それ以前に、昨年末にはジャパン・ハンドラーズ(対日管理班)のジョ
ゼフ・ナイ(クリントン政権時代の国防副長官)が、自民以上に対米従
属路線の前原誠司民主党副代表に接触している。
このとき、ジョセフ・ナイは前原に「今の民主党外交政策がそのまま
政権を取ったときに採用されたら、反米行為とみなす」と脅し上げた。
(副島前外務省職員情報)


前原は、今最も小沢下ろしに動いている。B層ならまだしも、れっきと
した京大の右翼教授高坂正暁の弟子ではないか、この一連のネオ・ファ
ッショ攻撃に迎合してどうするのだ。軽薄とはこのことだ。一党をひき
いる責任者の器ではないことを自ら露呈させたようなものだ。


さて、検察はといえば、国民の国策捜査批判の声に押されて、職員を増
員したらしいが、この事態こそがまず「小沢ありき」の潰し捜査である
ことを暴露している。ここはもうひき返せない、「何が何でも客観性を
装い、事実の不足を強引にストーリー仕立てするしかない。そして自民党
森善朗の献金北陸新幹線への疑惑は一切表面化しない操作が必要だ」
という事態を物語っている。十分捜査した上で、犯罪を立件したのなら、
金額の多寡ではなく、全ての議員の家宅捜索をして調べるべきであろう。



わたしは、小沢一郎は唯一アメリカに日本の国益をストレートに言える
政治家だと思っている。だからといって、格別信奉しているわけではな
い。細川連立のときの大過は今も尾を曳いており、バカをしたものだと
思っている。しかし、二大政党制を育てるには可能性に一番近いのが民
主党政権を実現させることだと思っているからだ。


問題は、相変わらず、外在的な思想と西欧モデル一辺倒の政治スタイル
を変えなければいけないだろうと思っているだけだ。
経済では、日本のオリジナリティは十分発揮して経済大国になったでは
ないか。
一度も血を流して自分たちの政治を掴んだことのない国民が、今よう
やくそれを可能にしようとしている。

犯罪が確定していないままに、相も変わらぬ政治責任による辞任劇。
三権分立という幻想に酔って正義を唱和するメディアとB層。
もう少し、まともな政治と国にはできないものか。


漆間巌のような厚顔無恥な官僚内閣制と対米従属利権派を放逐するには、
彼らが嫌がるとりあえず政権交代が端緒だと思う。


この情況で、価値相対主義−どっちもどっちもは主体性を放棄して、守
旧に甘んじることだと肝に銘じておこう。