俳句作品-至高「負げねど」10句

 負げねど
               至高

月光の廃墟となれりあゝ愉快

強東風に息を整え負げねど

ことのはの不調激しく木の芽吹く

叛旗みな風を孕みて鳥雲に

ふぞろいの葉の裏にあり蝶の孵化

フクシマの田を打つ田畑失せにけり

不埒なる市長を糾し鳥帰る

国家など鼻歌でよし野蒜摘む

原子都市桜の吹雪く黙示かな


花散りぬ
御霊に青の深む

(俳誌「六曜」NO.27所収)

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