死刑囚大道寺将司追悼、太田昌国氏追悼講演録「ヒューマニズムとテロル」

とうとう大道寺将司の追悼文を書く機会を逸してしまった。
発表の場をもてなかったことが直接の原因だが、それは言い訳で大道寺のテロルによって提起した問題をそれなりに総括しているが、その論説以上に彼の一生を想うと、言葉にできない部分がでてきてしまい、逡巡してきたという方が正直な気がする。

そんななかで、数少ない接見人で、大道寺の従兄弟でもある太田昌国氏(著述家)が平易な語り口で鋭い批判とともに心温まる追悼講演をおこなっている。

忘備録として掲載しておく。

太田昌国氏、死刑囚大道寺将司追悼講演「ヒューマニズムとテロル」
http://www.labornetjp.org/news/2017/1105ota


なお、大道寺が死刑囚となってより40年にわたり『キタコブシ』という支援交流誌を発行し続けた太田氏の伝えてくれたところによれば、大道寺が数度の危篤に陥りながら、拙著句集&評論集『俳句のアジール』を枕元から離さなかった、そして文字通り命を縮めても読み切って旅立ったとのことだった。
そして彼は、最後の号に、いい句集であると推薦の言葉を振り絞って記してくれた。
わたしは、思わず落涙した。
一度もあったことも、直接口もきいたこともなかったが、最後に大道寺をこころから友人だと思えた。

太田氏は、俳人としての大道寺の追悼文も寄稿してくれている。
初めて、北海道から上京してきたときの逸話から始まって、大道寺の折に触れて詠んだ俳句の回想を綴られていたが、しみじみとした愛情のこもったものであった。
ああ、太田氏は大道寺を愛していたのだなと改めて感慨深く思ったものだ。

合掌。