柄谷はブントの理論家として記憶しているので、党派嫌いな私はあまり読む気がしなくて、文芸批評を少し読んだ程度だ。
近年、「世界史の構造」を読んで、成長ぶりに驚いて、先月でた「力と交換様式」を積んである。
それにしても賞金100万ドル(1億3000万円)とはすごい。
81にもなってそんな大金もらってどうするんだろう、などとつまらぬ詮索をするのは、野暮というものか。
なお、一言苦言をていすれば、意味もなく吉本隆明を批判し始めて、吉本は怒って袂を分かった。
柄谷はアメリカに留学して何かを獲得したと奢ったのではないか。留学できるご身分はありがたい話だ。
吉本のように、在野にあって、文献コピーをとるにも順番の列に並び金を払わなければならない「身分」の、もと同士ともいうべき相手には、もう少し対応の仕方もあったのではないか、と残念に思う。
吉本を批判し倒せば、自分なりに天下を取れると思ったのだろうか。
私のなかでは、それゆえ柄谷の人間性の狭量さと小ささとして記憶されてきた。
まったく私の恣意的な憶測で、事情をよく知らぬ物見遊山の印象にすぎないが。
(Facebookより転載)