宇沢弘文の解説=内海信彦氏の秀逸な短評でもある!!

内海信彦氏のFacebook(内海 信彦  | Facebook)の記事へ、あまりに秀逸な「宇沢弘文論」だったのでついついコメントを書いてしまった。

 

ほー、小幡績さんという方は存じ上げませんが、資本主義の後は中世だ、という見通しはほとんど同意できます。小生も、トッドや佐藤や杜山が盛んに次はユーラシア主義だとか、中ロの時代だとぶち上げていますが、おためごかしもいい加減にしたらどうやと寸評をしています。反米一辺倒で来た日本リベラル派も同調してロシア支持、米国凋落歓迎に沸いていますが、そう簡単に反米の次が明るい未来がくるのでしようか。交換様式で次世代を展望しようとする柄谷行人のように、少なくとも政治統制形態の変更だけで、明るい未来を描くのではなく、経済構造(柄谷は交換様式も下部構造と位置付けている)の資本運動の内在的超出でなければ変態資本の運動は続くでしょう。私たちの世界は確かに政治統制形態や覇権国家の差し替えでいかようにでもかわりえます。自然性に規定された、覇権国家のトーナメントに勝ち残った国家に未来を託せるほど、世界市民はもう単純ではなくなっているのです。次世代の国家なのかなんらかの共同体かは未規定としても、いい悪いは別にして伝統的文化的、すなわち存在論的にしか在りえないだろうと思います。そのとき世界市民が受容できるものは何か、宇沢弘文はそういう文脈で貴重だと思っています。いずれにしても、小幡積さんのモノを紹介願いたいですね。

(内海信彦Facebook宇沢弘文」の記事へのコメント欄より)