俳句作品・至高「十三夜」

  十三夜
             至高

  子子孫孫原子炉の火と蛍の火
  
  喉もとに集まってくる月夜茸
  
  死者の声禁止区域の虫の声
  
  曼珠沙華汚染のなかの潮目かな
 
  十三夜海に供花の流れけり
  
  秋蝶の影の形に水濁り
  
  白髪となりて識るなり桐一葉
  
  瓦礫みな星屑となさむ芒原
  
  海に陸に魂を鎮めて星流る
  
  哲学の道をはずれて蒼い月

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