敗戦日を終わってみれば……ますます語らなくなる❣

戦争を語り継ぐ、善いことのように言うのがどうかと思う。
俗悪テレビでさえ、語り継ぐことはする。
いや、厳密に言えば語り継ぐことでそれ以上のことは語らなくてよい空気を強要しているのではないか。
語る内容は、
日本人の被害者意識の物語、
植民地、占領地の人々の物語もあったはず、これは話題にしない。
誰も、国会で日本軍が虐殺したアジアの人々への謝罪と黙祷をしようと言わない。
戦後が終わらないと思うのは、日米一体化がますます強化され、日本人がますますアジアを「弱者」に固定化し、再び天皇に替わってアジア諸国を米国という「強者」の女衒となっていることだ。
これは、私からみれば、「被害者意識」をチャラにする調節弁だと言えるのではないか。
半世紀、無意識として固着した日本人の風物詩❣
 
では風物詩をご披露。
征けば死にきり末枯れし戦没碑
いたずらに特攻賛美草茂る
銃口より平和が生まれ桐一葉
日の丸や血痕に似て梅雨の闇
(拙著『俳句のアジール』2016.12.26発行 所収)
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