池田浩士さんの「橋下政治(ハシズム)とファシズム-「国民」はなぜ支持するのか?

池田さんは相変わらず柔和な表情の中にも凛として静かな闘志が感じられました。
講演録をアップしたいところですが、今日は疲れているので印象のみ。

実はこの講演は、橋下政治に危機感を持つ大阪労働者弁護団などの団体が主催した集まりのプログラムの一つ。
司会は増田京子(箕面市議)。500人ほどの出席者で熱気にあふれていました。

先日このブログにアップした橋下氏のWTC移転の90億円無駄遣いを告発した「ハシモトモトドオリの会」の報告では、請求賛同人がなんと500人を越えたとのこと。住民監査請求が認められる公算が強く、11月半ばには審議会が開かれるという報告がありました。今後の展開が期待できます。

大阪教育条例の簡単な解説もありました。
教師の能力別査定を実施する、最低ランクを必ずつけなければならないこと、また職務規律違反を三回続けると解雇となるとか、かなり行政権限が強く反映するようになるなど、教育内容の論議なく市場原理主義的体質に現場を変えていくことが明確になっています。国歌斉唱起立条例もそうですが、個人の信条の内面まで支配する憲法違反が堂々とまかり通っているわけです。
弁護士の報告では、民間では労働組合などもあり、個人の内面までを統制することはないし、雇用主も常識的に思想や信条まで職場で支配しようとはしない。ところが橋下政治下の公務員はそれらを丸ごと管理される異常な状態に置かれると述べていました。
民間ではとか、民間並みにとかいう常識がこの面では全く顧慮されていないのです。これはわたしも勉強になりました。

労働者弁護団の大川弁護士の逸話は橋下体質を端的に表現していました。
2008年に知事になってすぐ、橋下は市と府が同じ無料相談をしているのは無駄だから一つにしろといってきた。
弁護士会は、何をいうのただでさえ相談者でいっぱいで二つでもたりないのにできないというと、彼はマスコミを引き連れて乗り込んできて、だったら年間800万円の委託料をただにしてボランティアでやれとごり押しした。それもマスコミをつれてきて弁護士会は敵だとわめいたとのこと。結局それから800万円はもらえず、本当にボランティアらしい。学校や公務員には市場主義を押し付けていながら、自分の主観で正当な労働対価を勝手になくさせるやり方は暴力団まがいではないか。どのような仕事でも、労働には正当な対価は支払われなければならない。

以降同じパターンを繰り返しているのだが、彼のいう無駄は庶民の利便性を無駄だというだけで、自分の使ったWTC購入移転費90億は無駄ではないという傲慢なやり方なのです。
従って全国2位の失業率の府の貧困問題への取組もなしに、生活補助世帯への支援を無駄だと切っていくことはかなり確かなようでみんな危機感をもってるようでした。

これだけの大きな府市なのだから、図書館が二つあっても、大学が二つあってもいいじゃないかと、切磋琢磨して互いに住民サービスがよくなればいいのではないか、というもっともな意見が出されていました。

とにかく今府庁へいくと職員に笑顔と活気が戻ってきて、みんなやめてくれてよかったという雰囲気がありありだと。笑

帰りがけに池田さんにちっと挨拶をして帰ってきました。
わたしの名刺を見て、「あ、マスコミの悪口言ってしまったなー、悪かったなー」と快活に笑われた。池田さんはいままで一度あったことがあったかなかったか、自分でも記憶がはっきりしない。しかし30年にわたるわたしの参照先とさせていただいてきた信頼に足る思想家である。きどらない謙虚な姿勢はますます好感を深めた。

では今夜はここまで。
藤野君ほか学生諸君、近日中に池田ファシズム論、乞うご期待!笑