都知事選−宇都宮一本化を阻む「共産党推薦」と脱原発をシングルイシューという枡添・宇都宮の間違い

都知事選、原発ゼロの是非が焦点に きょう告示
(朝日新聞デジタル - 01月23日 05:10)
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東京はメディアが充実しており、自民党政権の支配イデオロギーを浸透させている。
だから、自民党の石破や安倍などが、国民全体の政治を司る立場を忘れて反対する者は、すべてプロの左翼市民活動家であるとテロリスト呼ばわりをしても、都民もそうしたメディアの作る自民党反対派=プロ特殊市民活動家という表象を鵜呑みにしている。
だから政策は宇都宮が一番都民重視なんだが、共産党が推薦すると、その表象にスッポリはまり込み、途端にレーゾンレートルで選挙をし続ける共産党の党のための選挙へすり替わってしまう。

何度も言うが、宇都宮は共産党の推薦を断るべきだった。そうすれば細川立候補も抑えられて反自民は難なく一本化されていただろう。

舛添が同じ自民党内で、元妻片山さつきが応援を断り、DV男だったこと、女を渡り歩き2人も隠し子がいることを暴露。
女好き結構なのだが、舛添の場合は性癖と人格が、政党渡り歩きにも関連し、いつもエリート意識でコトに当たってきた本質に問題がある。
いつもお山の大将、頭をたれ都民や弱者に謙虚に聴くことはしないだろう。

細川金問題は、菅幹事長がネチネチ言っても、じゃあ徳洲会の金で閣僚たちがスブズブなのはどうなんだ?
安倍の100万円以下の分散大金献金はどうなんだ?
小沢は叩いて、町村の不動産売買はどうなんだ?
と出るわ出るわになっちまう。
しかも細川金問題は批判の事実間違いであり、総理辞任で責任をとり、時効だろう。
戦犯を国民の手で裁けない愚民が、細川をとやかく言える資格はない。

まあこんなことはどうでもいい。
原発問題が最大の消費地である東京の一義的課題であることは間違いない。
小泉細川の保守としての直感は正しい。原発利権から脱原発新エネルギーへの利権へ付け替えることは喫緊の課題だ。
特に小泉の直感は、汚染と廃棄物処理がキチッと語られ射程に入っていることは重要だ。
また細川はの幸せの価値観やライフスタイルの転換など漠然としているが、この直観も大事だ。なかでも、他の候補が言わない原発住民投票への言及は、日本政治の最大の課題である共同体自治確立への果敢なチャレンジであり、自民共産のように党にお任せぶら下がり政治からの脱却の試みとして特筆に値する。

だいたい、現在原発一基も稼働していないにもかかわらず、原発無くしたらエネルギー不足になるとはデマゴーグの論だ。
許せないのは原油値上りを国民に値上げで負担させておきながら、電気不足が起こると恫喝することだ。
いいよ、電気不足なら、週一日くらい供給ストップしろよ。
贅沢暮ししかできない若いヘタレどもはいざ知らず、俺たちはしょっちゅう停電の時代も難なく生きてきた。
耐えてやるぜ、その代わり値上げ分は返せ、と思うのですあります。

だいたい枡添や田母神などは、先進諸国が、脱原発以前に建築基準法で節電設備を義務付けているのに、まさに政治がやらなくてはいけない政策が全く視野にはいっていない。電力不足になるとデマを吐いて国民を恫喝する。
日本の電力使用は建物(工場、ビル、病院など公共施設、住宅)が7割を占める。これに省エネ設備を義務付けると、一説にはその8割は削減できるとの専門家の試算もある。

さらに、最近の報告では、昨年のフランスとドイツの電力貿易バランスは、なんとフランスの赤字であるとのことだ。
フランスはEU最大の原発電力輸出国だ。それがわずかフクイチ事故に刺激されて自然エネルギー転換をはかったドイツに負けたのである。それは省エネが政治的に進んだ結果であり、パラレルに進められたためである。

舛添や田母神が原発は手放せないという意味は、自民党の核爆弾を手ばなさいということであり、いつでもアメリカの核の傘が失効した場合に備え自前の核爆弾製造のためのプルトニウムは作り続けるという意味なのだ。

これは自民党タカ派の「核の技術抑止論」がベースとなっている。
実物はないが、いざとなれば対抗核爆弾をすぐ作りますという抑止論である。

原発の本当の導入動機を隠したまま、平和利用という偽装で、原発は推薦しそこに利権が生じると群がる「原発村」ができた。

宇都宮や支持者の素朴さは、核の平和利用を積極的に支持してきた勢力が共産党であり、大江健三郎市民運動であることを、反省もせず相変わらず原発だけを悪者扱いにしている。

もう一点は、彼らは原発利権は政策の結果であって、最初から利権を作るために産業化したわけではない。
しかし左派は、あたかも小泉や保守派というと、利権の付け替えに過ぎないとデマを吐く。
現実の政策では産業社会である限り、ノウハウの組織化は当然であり、でなければ高度技術開発など成立しない。

利権とは、公的資金を、不法にまたは必然性も無く発注したり、裏金で発注が決まったりする場合のことなのに、敵対党派がやることは何でも利権レッテルをはる。

これを私は、戦後的旧左翼の運動化するイデオロギーと言っているが、今や旧左翼の真似して安倍自民党ネトウヨがやるから、政治状況は益々劣化する。
(左派ではない、旧左翼とわざわざ言っている点に注意)
従って、共産党も宇都宮も、田母神や自民党も、細川小泉も、核問題は言っていることは相反するように見えながら、この核問題の戦後的擬制に言及していない点では、似たり寄ったりで、私には理念の受けの善し悪しではなく、現実の力学で突破力がある候補者が脱原発を推進可能ではないかとみている。

なお、官僚同様無謬神話を捨てない共産党は、このような核の平和利用を引っ張ってきた理念の破綻に沈黙し続けるだろう。

そこにまたアホな綿虫左派が群がり、大衆の変革への希求を誤った運動へ導き、赤旗部数の伸長へ回収するだろう。

一歩ずつ着々と成果を積み上げてきたことを誇るより、敗北を深く認識し、その暗い淵からなにものかを掴むことの方が大事だーという吉本隆明の言葉が貴重に思える。

グラムシが指摘するまでもなく、高度資本主義社会では権力は分散され、中枢は見えない。メディアはそれらを隠す為に様々な意匠を凝らして、常識という支配的イデオロギーを流し洗脳する。
東京都民が、メディアの作り続ける表象すなわち市民的常識と倫理や好感度印象を懐疑し、思考しない限り、「都民の都知事」は今まで通り選ばれないだろう。
更に不幸は、左派も共産党も、マトモな素人が簡単に立候補できないような日本特有の供託金制の廃止には積極的でない。

共産党自民党との並立を理想化しているとしか思えない。
すなわち現体制の肯定を。