小林節氏の自民党改憲への危機感は本物だ、良心的知識人に連帯を!

先月小林節氏の講演会に参加した。
京都弁護士会招請に東京から駆け付けた。共産党立候補の弁護士の応援も兼ねていたので、ほとんど共産党支持者が占めていた。

小林氏は、もともと自民党政権にも参画した、慶應らしい保守主義憲法学者
従って過去には改憲論者だった。
その後桝添氏の自民党改憲草案を経て現在の日本会議中心とした明治憲法をモデルとして復古的国民拘束憲法が出てくるに至り、護憲論に転向した。改憲から護憲への転向は前代未聞ではないか。
それほど今回の選挙によって、自民党改憲が喫緊の国民的課題であるが、国民にも識者にも危機感がない。そのなかにあって小林氏の憲法学者としての危機感は本物である。
日本の知識人は、いつも自分が傷つかない地点でそつのない発言をする。しかし小林氏はそうできない。戦後憲法が変えられたら、国民が最も不幸になることをここ数年口を酸っぱく忠告し、語り続けてきている。その姿には鬼気迫るものがある。

筆者も曲りなりに法学部の憲法法哲学を専攻したものなので、小林氏のかつての改憲論には一点の合理性を認めながらも、危ういと感じ、所詮「あの慶應の保守学者」くらいにしか思っていなかった。

さすがに小林氏の講演は、話しなれた洗練された解りやすいものだった。ユーモアもあり、共産党への嫌いな点を堂々と主張しつつ、共産党のいわれない偏見への弁護もしていた。もごとな話術。

帰りがけに挨拶と握手をお願いして、
「いやー先生の印象がだいぶん変わりました」と述べると、
「よほど悪かったんだなー」とにやにやしていた。慌てて否定したが確かに見抜かれた。
今、最も尊敬する学者のひとりとなっている。
この危機に起たない学者はダメだ、こうした国民のために汗を流し、骨を折る知識人を見殺しにする大衆はダメだ。

国民になりえていない、日本土人は、自分たちの身を案じる知識人を見捨てるのではないか?
投票率が10%上がれば政権は変わる、改憲も阻止できる。そのカギは土人が投票という権利を行使し、国民としての責任を果たすかどうかだ。

しかし、筆者は戦前と土人のマインドはほとんど変わっていないと思っている。
戦前同様、土人を開放しようとする知識人を、権力に引き渡した土人たち。
杞憂に終わってくれることを願う。

小林節氏の魅力的な街頭演説をぜひみてみましょう。



なお、分かりやすい哲学的思考の続編は時間の取れた時にアップします。悪しからず。