統治者安倍総理の無知は、国民の無知でなければよいが⋯

適菜収tweet

安倍晋三ポツダム宣言というのは、米国が原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えた後、「どうだ」とばかり(に)たたきつけたものだ」 ↓ ポツダム宣言は7月26日。原爆投下はその後。義務教育レベルの知識がすっぽり抜け落ちているんですね。アレは。。。

 

 

このように適菜氏はtweetした。
このソースは、2015年『Voice』7月号のようだ。
 
この安倍総理の歴史無知というか、捏造歴史ばかり読んでいるため、頭が錯乱しているのかよく解らないが、政治家でしかも最高責任者の総理大臣が、これでは日本国民はどこへ連れていかれるのか本当に空恐ろしくなる。
 
ポツダム宣言、1945年7月26日 米英華3加国による宣言。
原爆投下広島、    8 月 6日
ソ連満州侵攻、             8日
    長崎、           9日
天皇終戦検討下達、    9日
 
の順序で歴史は進んだ。
ポツダム宣言は原爆投下より1ヵ月も前。
※なお、『奔』所収の拙著『日米安保と沖縄コメンタール』P46では、ポツダム宣言の日が、誤植で5月となっています、この場で7月26日に訂正させていただきます。
 
ちなみに沖縄守備隊壊滅にもかかわらず、本土決戦を継続していた天皇が、やっと終戦を決断するのは、8月9日。日にちとして原爆投下が原因のように思われているが、間違いである。
侍従長の日記から、8月8日のソ連宣戦布告満州侵攻を受けてと天皇が述べたと記している。
天皇がどれほど共産主義を怖れていたかである。
原爆投下には屁みたいなものだという認識でいた。それは1975年10月31日、記者会見で「原爆投下は広島市民には気の毒であったが、止むを得ないものであった」と述べている。
これが戦争遂行最高責任者のいいぐさかと呆れるが事実である。
 
 また、多くの国民が、ソ連が日ソ中立条約を破って侵攻したと国際条約違反を言い立てる者もいるが、それは昔の教育である。4月5日にはソ連から一方的に日ソ中立条約の不延長を通告されている。
 
少しでも政治に携わる者は、これくらいの知識は持っていないと、外交でつまずくことは必定だ。
事実、安倍総理は、四島返還から二島どころか主権はロシアに残したまま経済協力投資支援を行おうとしている。
日本の悲願である四島返還どころか、実質一島も帰らない可能性があるのである。
少なくとも、領土問題や外国人移民受け入れ問題というような、国柄に関わる問題は、しっかりした説明と論議をして欲しいものだ。いくら政権与党でも、選挙で何の公約ににもなっていないのだから。
 
他にも民主主義と統治の基本認識に重大な汚点となった、「立憲主義」が何たるかをしらなかったり、統治権者として失格だろうと思わせる「無知」ぶりは枚挙にいとまがない。
 
だが、この安倍総理ポツダム宣言の無知ぶりは、ご近所の人々、地域のシルバーセンターのご老人たちと話してみれば、日本人の平均的無知を代表しているともいえる。
安倍総理ひとりを責められないのが実態である。だからこういう低劣な政権が代表として選ばれているともいえるのであるが。
 
問題は、知らなかったことに、素直に知らなかったので、学びます、と言えばいいことなのだ。
 
日本人の、とくに現代史を学び損ねた大人たち用に筆者が発行している『奔』新春号では、「日米安保と沖縄コメンタール」を40頁にわたって特集している。次号へも続編を載せるのでさらに戦後史―特に少しなじみのない条約を中心にみていくように書かれている。とっつきにくいかもしれないが、専門書からのアガルマムとしているので、信憑性のあるものである。
 
安倍総理の無知を嗤うのは簡単だが、それが選挙民たる国民の平均的知性を形作っていると思うと、危機感はつのるのである。
 
筆者のこの記事で、もう一度戦後史を学んでみようと思った善良な国民の方には、次の本を紹介しておく。良書である。