小沢一郎事務所大久保公設第一秘書釈放

小沢一郎事務所の公設第一秘書大久保氏が、85日の後やっと釈放されたとのこと。よく頑張られたと思う。検察は拘留延長を求めたが却下された。


わたしはこの問題で、すっかり民主党ないし小沢擁護派になってしまったが、といって岡田や前原などを支持していない。それは政策がよく解らないということもあるが、なによりも存在感と言葉の重みが感じられないという人間評価の方である。


自民党の特に福田、安倍、麻生とこの二世議員たちと同様な人間力の欠如を感じるのである。
わたしたちは、言葉百篇よりメタ言語としての身体的所作によるコミュニケーションの方が、その発言の指示しているものよりより多くを読み取ってしまうといのが、政治の場におれるコミュニケーションである。


そういう意味で、その人がいるだけで緊張してしまうとか、自ずとシャンとしてしまうなどという人物が、あらゆる場から消えつつあるのは、政治家ばかりではないけどね。


話がズレタので戻す。この秘書逮捕問題の政治的意味を植草元教授がわかりやすく整理解説しててくれているので、紹介しておく。

 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-11b1.html


三上治氏の先日掲載した論考でもわかるように、政治資金問題は個人献金方式が理想であるが、それまでの過渡的段階として現実的にみれば、いままでの検察とマスメディアの「金権政治家批判」は問題である。


問題の所在は、日本の伝統的な政治土壌(アジア的な政治の存在様式)では、批判は易しいが言葉や観念だけを流通させて、それがかえって現実の企業献金や法的抜け穴を隠蔽してしまったという点である。
いってみれば、メディアの差別語の自主規制が実質的に差別そのものの解決に向かわず、実態を覆い隠し温存している構造と同質だということだ。


特に政治土壌として、日本は政(祭)はお上から施しモノを分けていただくという風土であり、市民社会での政治主体としての未熟性や社会経済的貧しさなどにより、政治家になる場合は名望家が身銭をきるか企業団体献金に依存せざるをえなかった。


三上氏か指摘する特に注意しなければならない点は、戦前における軍官僚とメディアが行った政党政治家への短絡的な金権腐敗攻撃が、政治構造の解決諸問題を隠蔽し、右翼大衆運動を助長して政党政治を圧殺していった事実である。


戦後も構造は変わらず、「金権」政治が語の定義も曖昧に、検察とメディアが結託して国民が拍手喝采した場合、極めて恣意的に政治家の抹殺に繋がってきたという指摘である。


逆に例えば日歯連事件など与党公安出身議員が献金受領していることが判明すると途端に操作はうやむやになるとか、多くの事例があるわけである。


わたしたちは、これらの日本の政治土壌と検察のありようを冷静にみつめ、繰り返される「金権」政治家キャンペーンに終止符を打つ方策をみいだしていかなければいけないだろう。


まだニュースを観ていないが、党首討論鳩山代表は?即時政党支部献金への禁止、?3年後全面企業献金の禁止と個人献金方式への一本化、をうちだしたとのことなのでこれが実現するならとりあえず一つの前進となるだろう。


そのためには、民主党中心の政権交代を実現させるしかない。
国民は本気でそう願っても、問題は岡田や前原や仙谷などがどこまで小沢や鳩山の政策を血肉化して命をなげうって権力に対抗していくか未知数である。


彼らは、とりあえず勝ち馬に乗れそうだからとりあえず民主党に留まっていようという程度のようにしか見えないのである。
恐らく既得権益層は死にものぐるいで抵抗してくるだろうから、選挙が終って自民党と引っ付いたりしたら地獄いきだということを忠告しておこう。