■検審会、小沢一郎議員を本日起訴に抗議する

検審会の検事役になる大室指定弁護士が小沢議員をさきほど起訴したようである。

この間の進展をメモしておく。

・大久保元秘書の供述調書は、郵便不正事件で冤罪を生んだ前田恒彦特捜検事(当時・現被告人)の偽造供述調書であることを、検察庁が自ら認め取り下げた。
自白にだけに頼った起訴だけに、ほとんど事件が成立せず、公判維持が困難となつており、大久保元秘書の有罪はほぼないといわれている。

石川元秘書の方も、検審会起訴の二度目の聴取の折、一回目の供述は誘導があり本当のことではないので供述調書の書き換えを要求したが、再び脅迫と誘導が行われ、逆にさらに石川氏の一回目供述の信用性を強調するものとなっていた。この聴取のやり取りをICコーダーにつぶさに録音しており、地裁はこれを証拠として採用決定した。
従って、陸山会事件の方も、水谷建設水谷功元会長の1億円裏金譲渡証言が物証もなく崩れ、このICコーダーが証拠採用されたことで、自供だけに頼った起訴であるため、こちらもほとんど有罪は難しい。

もともとこの二人の「自白供述調書」が崩れるということは、小沢一郎か゜了解して秘書に指示したという虚偽記載も贈収賄も、共謀共同正犯が立証できない、と解釈するのが常識である。

しかしながら、この小沢事件は、村木厚子冤罪事件と同じ意図のもとに仕掛けられ、同じ構図をもった事件であるため(民主党潰し、小沢、石井両議員抹殺)、予断を許さない。

これまでと同様、目的のためには手段を選ばず、さらなる虚偽捏造がたくまれていることも予想される。

なお、郷原信郎弁護士のtwitterによれば、大室弁護士は、虚偽の供述調書であると裁判過程で明らかにされ、それに基づいた誤った起訴だと結果的に解ったとしても、誣告罪にはならない、とのこと。それは検審会の指定弁護士の権限として認められているようだ。


いずれにしても、小沢一郎議員の抹殺は、政権交替がほぼ確実視されてきた昨年の衆院選挙前に発生した。

一貫として小沢議員の支持を書いてきたが、これで冤罪がハッキリすると確信している。

問題は、菅派の小沢排除は合法性を装って抹殺できなくなる分、マスコミと共謀して露骨な詭弁を弄することで国民を騙す方向が強まるだろう。


小沢議員は、離党も議員辞職する必要もない。

第一に、被告として「推定無罪」であり、従来の起訴=有罪という検察が正義を体現している神話時代とは違っている。検察は体質が出世のためには強引な恣意的ストーリーで政治生命を奪うことが明白になつた。
その段階では、厳密に有罪が確定するまでは、推定無罪の民主主義は厳密に運用されるべきで、慣例主義はぬりかえられなければ正義ではない。

第二に、慣例主義を持ち出す菅派に追随する人達は、検察起訴-被告人という特捜部段階で完結した起訴を前提としており、今回のように検審会という新たな制度下での起訴を同列に扱うことが妥当かどうかの論議なしに、起訴は起訴だという単純化は、検審会の制度設計が問題視されている中で極めて乱暴な話である。
充分な論議が必要であり、慣例主義でればあるほど、逆に従来の検察特捜部が起訴していないことが重視されなければ嘘であろう。


以上、検審会起訴での見解であるが、わたしが憂慮する問題は別にある。

それは小沢議員をすでに実質的に排除した菅派の裏切りである。

1月13日の日刊ゲンタイの記事によれば、民主党の新しいポスターからは「国民」の生活が第一」のスローガンが完全に消されて、「新しい日本、進行中」に変わったとのことだ。

菅直人の顔写真では地方選挙は闘えないと猛抗議があり、顔写真は入れないことになった。
そして「国民の生活が第一」のスローガンには岡田幹事長が頑なに拒否し、結果「新しい日本、進行中」に落ち着いたとのことだ。
なんのこっちゃ?スローガンまで空っぽになっている。 政権をとったときのスローガンを一年もしないうちに勝手に変更する岡田一派の政治感覚は、間違いなく狂人のものであろう。

長くなるのでこの裏切り問題はまた別に項をたてて指弾していきたい。

いずれにしても、小沢冤罪事件の早期無罪を勝ち取り、小沢議員のリーダーシップの回復を望みたい。

【追記】

タイトルに吉田繁美弁護士が指定弁護士として書いておりましたが、その後の報道で大室弁護士他二人の計3人であることが判りましたので、訂正しております。

吉田弁護士は第五検審会の起訴議決を取りまとめた本人で、今回も継続して担当を希望していたと報じられているが、何故下ろされたのか?
何故委員が二回とも34.7歳という統計上まれに見る確率の年齢となったのかを知っている人物なので、残念である。

また、吉田も大室他二人も全て仙石と同じ東京第二弁護士会である。仙石の地盤とする第二弁護士会からしか何故補助弁護士が選任されないのか? 検察が組織を挙げて捜査したにもかかわらず起訴できなかった案件のため、引き受けてがなく人選に苦慮したと伝えられているが、なぜ第二弁護士会だけなのだ?

引き受けてがないため、仙石が人脈で捜したのか?
功名心に逸る弁護士が固まっているのか?
閑な弁護士がたまたま多いのか?

不思議なことである。