■B層のための小沢一郎「政治と金」のおさらい。

相変わらず、マスコミの無責任な歪曲報道によって洗脳されている国民が減らない。
というよりは、それによって刷り込まれたがゆえに、頭の固い真面目人間が洗脳から解けないという方が真実であろう。

オカルト宗教の洗脳と同様な、先走り報道やリーク垂れ流し報道の繰り返しは、映像に挟まれる小沢のこわもて顔によってサブリミナル効果を生み、小沢一郎が「悪」の記号として世間に流通した。
法治主義も民主主義もあっという間にくずれた社会は、さながら戦前の治安維持法特高警察を思い起こさせる事件であった。

その根底には、戦前と同様、大衆の草の根ファシズムがあった。

事件の経過と、マスコミでは報じられない小沢一郎側の抗弁はネットには流布されているので、今更書くつもりはないが、それでも目に余る無知とただ溺れる犬を叩きたいだけの悪意に対しては何度でも簡単におさらいしておくこうと思う。単純化こそ明確にすることもあるためである。

以下『週間ポスト2011,1,7号』の記事から。

西松建設事件

同社社員らでつくる政治団体が小沢氏に献金していたことが「実体のないダミー」として摘発された。

実際には公判で検察証人からも「活動実態のある団体だった」との証言が相次ぎ、困った検察は後述の「陸山会事件」を後から訴因に加えて公判を長引かせるという異常事態になっている。

大メディアは「西松の献金はダム建設談合の見返り。小沢が天の声を出した」としきりに報じたが、検察が多くのゼネコンを強制捜査や取り調べ対象にしても、何の証拠もでなかった。


陸山会事件

小沢氏の資金管理団体が土地を購入した。それが政治資金規正法に違反するとして摘発された。

検察もマスコミも「不実記載」と騒ぎたてたが、実際に立件できたのは「04年に買ったのに05年に報告した」という「期ずれ」の問題のみ。

しかも、それも小沢氏側は、農地法による地目変更手続きのために本登記が遅れたものと説明している。

大メディアは「購入資金原資は闇献金だ」と報道したが、その根拠は、検察の依頼で偽証した前歴のある建設会社(水谷建設)元会長の証言のみ。

「ホテルで金を受け渡し」「秘密の手帳にメモ」などの報道もあったが、いずれも誤報と判明している。

(筆者註)

この偽証元会長とは、福島県知事の贈収賄事件*1で偽証して知事を冤罪に追い込んだ人物である。
後、本人が偽証したにもかかわらず検察が有利な取り計らいがなかったとして、自ら偽証を公表し、知事は贈収賄では無罪確定。しかし政治生命を絶たれた。

この事件でも、獄中にあるとき検事に偽証したことがはっきりしている。
10月出獄後、メディアから逃げまくり一切沈黙している。検察も証人出廷を要請していない。


検察審査会問題

以上二つの事件で小沢氏の秘書3人が起訴されているが、民主党政権打倒を謳う市民団体*2の訴えで、検察審査会は小沢氏を共犯として強制起訴した。

ただし、この決議には数々の違法性が指摘されているほか、検審メンバーは恣意的に選ばれた可能性が高い。

(筆者註)
違法性の最大の問題は、もともと検察審査会の設置主旨は、検察の仕事チェックであり、すなわち案件の起訴独占権のチェックをするもので、起訴案件自体の不起訴が妥当かどうかを審査するものなのだ。にもかかわらず、起訴案件を新たに追加していることは、審査会法を逸脱していると専門家の指摘がある。

これが許されると、疑わしければ片っ端から審査請求し、事実証拠調べもせず法廷へ引っ張り出せることになり、いわゆる現代版魔女狩り裁判が許されることになる。法治国家の根幹を揺るがす制度となる。

しかも不起訴となった起訴状を一方的に検事が審査員に説明し、密室で全てが行なわれる。被疑者側は一切の言い分も証拠提出も認められないという不公平な起訴となる。
法曹界では憲法違反だという指摘もある。

また、審査員の選定も、検察事務局が秘密に行い、今回二回とも平均31コンマ何歳という平均年齢だというのだが、数学者に言わせると二回とも31コンマ何歳という微差で選任される確率は数百万分の一の確率で、不自然であり、作為的に調整されたとしか考えられないといわれている。

裁判員制度では、人口構成から必ず高年齢者が混ざっており、こういう青年だけで構成されることはないとのことだ。法曹関係者もこの年齢構成に疑問がでており、初の政治家審査とはいえ、制度、運用解釈に問題が多すぎる審査会議決である。

このように、小沢事件は既得権益層からの攻撃による冤罪であることがはっきりしている。審査会で新たな事実証拠も出ず、ただ長引かせて小沢の政治力を削ぐことに狙いは定められていくことだろう。

*1:収賄では無罪。冤罪事件が明白。http://www.news.janjan.jp/government/0808/0808235355/1.php

*2:告訴人は右翼元産経新聞記者山際澄夫ではないかといわれている