■美しい日本人の団結--福島原発事故放射能汚染

東大教授や保安院保安院経産省の外郭団体)の親切なご注意が出るたびに、少しくらい犠牲者はでるけど大勢の人は安全ですよ、宝くじみたいなものですけど多分あなたは大丈夫、不安になる人はバカですからテレビの情報を信じて汚染野菜は食べること、東電を批難したり、原発事故は人災などといわずに、特攻隊がすばらしい活躍をしてくれているのですから、こんなにすばらしい日本人の団結に酔えることはめったにありません、こんな非常時に批判するのは非国民です、この事故はたまたまですからまた原発を作って事故を起こしましょう、ってわたしには聞こえてしかたがないのだ。

学者がいかに科学主義に汚染され、データを恣意的に利用しているか、そのもっともらしい「客観性」の後ろに利権と党派性を嗅ぎ取ってしまうのはわたしだけだろうか?

わたしが指摘し、危惧していた通り、学者の微量安全のご託宣はわずか数日で次々に崩れて、出荷停止の野菜は増えるばかりだ。

先ほどのツイッターでは、東京都内の水が、子供の摂取許容基準の二倍に達し、東京都は子供への飲料を控える通達を出している。
すでに風評ではない。実際に生活を脅かすところまで放射能汚染は拡大しているのである。この学者のデータ信仰と原子力学者の生態の問題はまた別に書くとして、個人的に違和感の大きいものを指摘しておく。

違和感を感じるのは、日本人の事故沈静化へ向けた特攻隊への賛辞である。
もちろんこの困難に使命感をもって淡々と職務を全うする姿は、頭が下がる。そして特攻隊員の家族とのエピソードを聞くとつい涙ぐんでしまう。やはり日本人だなと自分で苦笑するのだが、この作業は核爆発との死闘であることは間違いない。それも学者や設計者の尻拭いとして。

ではあるが、その美談と原発事故の責任問題と原発問題の論議は別ものであろう。美談で臭いものに蓋をすることは、この美談をも貶める結果となる。国民が非常時に論理的思考を停止し、精神主義の特攻政策を核処理の現場でやっているにすぎないという、戦前の日本人の精神性を少しも克服できていない、とみなされかねないからだ。

わたしが思うのは、これ程事故後に特攻隊が素晴らしいと賛美され、日本人の一体感や困難に立ち向かう姿に陶酔するなら、これを事故前にできなかったのか、ということである。

血税を使って莫大な特攻隊の活躍を賛美するなら、その前に福島県民の憂慮に寄り添う方がよかったのではないか?福島県民は40年近くに亘って原発撤去を求め、東電の危険な「効率優先安全後回し運転」を批判し、改善を求めてきた。
つまり事故前には、論理的で学術的な知見が踏まえられた、脱原発への福島県民の団結があり、これらの人々の団結は、特攻隊のように職務で給与が保障されているわけではない無償の労力である。
これ程美しい団結があろうか?!

この人々の認識は、今起きている放射能汚染全域の、ひいては日本人全体の健康を守る団結であったのだ。なぜ普通の生活者の日常生活を守る人々の側に、普通の人々は無関心で、原発安全神話に飲み込まれたのだろうか?
日本人は寄り添う人々を間違え、美しい団結と一体感の勘違いを今しているのではないのか。

この脱原発を掲げる町場の小さなネットワークの連合体が、事故の一ヶ月前に東電に話し合いの場を持つように申し入れした文書が以下のものである。
内容を読むと、東電が日常的にも危険極まりない問題を放置し、誠意ある住民への対応をしてこなかったことが伺える。そして彼らはか一ヶ月後の惨事を的確に予測した。

わたしが事務局の佐藤氏に電話取材を申し入れたときは、丁度20キロ圏内の退避と30キロ圏内の防御体制作りに追われて取材どころじゃないよと言われた。佐藤氏には申し訳なかった。ご無事を祈るばかりだ。

以下、ウェブサイト「ふくしま原発40年とわたしたちの未来」から。あまりの的を射た東電への抗議の書にもなっているので、これが一月前だったということに万感迫るものがある。さぞ当事者たちは無念であろう。
そして国民は、安全という中身のある美しい団結に酔うことを逸した。


福島第一原発1号機の40年超運転に反対し情報公開と県民説明会の開催を求める申入書

投稿者: saeko2011年2月26日 1:43 AM

廃炉 | 県内の動き.2011年2月23日、東京電力に対し、「福島第一原発1号機の40年超運転に反対し情報公開と県民説明会の開催を求める申入書」が提出されました。

福島第2原発で12団体の代表5名が東電広報部に手渡したものです。

脱原発福島ネットワーク

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東京電力株式会社  社長  清水 正孝  殿            2011年2月23日

福島第一原発1号機の40年超運転に反対し情報公開と県民説明会の開催を求める申入書

貴社福島第一原発1号機は、3月26日に営業運転開始40年となり、当初の設計寿命を迎えます。国は、原発の高経年化対策として、運転開始30年を超える原発は通常の定期検査のほかに、10年毎に安全性の評価と点検などの保全計画策定を事業者に義務づけており、貴社は、昨年3月、最長60年まで機器・構造物を現在の保全活動継続で維持できるという技術評価書を国に提出し、2月7日、これを審査した経済産業省原子力安全・保安院が今後10年間の運転継続を認可しました。

これまで、日本原子力発電敦賀1号機と関西電力美浜1号機が40年を超えて運転を続けており、敦賀1号機は6年、美浜1号機は最長10年運転した後は廃炉にする方針を明らかにしています。しかし、福島第一原発1号機は、廃炉の方針を示しておりません。福島第一原発では、今後10年以内に、2〜6号機のすべてが営業運転40年を迎え当初の設計寿命を迎えますが、老朽化と設計寿命を超えた長期運転は、事故のリスクをますます拡大することになります。

貴社がどのような見通しで福島第一原発1号機の40年超運転を実施するのか、設計寿命を超えて運転することの合理性と安全性に対して、福島県民は大いに不安を感じています。事業者である貴社は、当初の設計寿命40年を超えて長期運転に入る事態を重く受け止めるべきです。

その上で、福島第一原発1号機の「高経年化技術評価等報告書」を住民・県民に情報公開することはもとより、経済産業省原子力安全・保安院の審査で指摘を受けた、原子炉圧力容器の中性子照射脆化に対する健全性評価や水位計装ノズルの応力腐食割れに対する耐震評価、さらには10年前の報告書の中性子束計測ハウジングの耐震評価でのS2地震発生時の亀裂安定性評価が亀裂安定限界応力に対する発生応力の比が0.98であったことと、今回の「水位計装ノズルの応力腐食割れに対する耐震評価」の関係などを明らかにして、事業者としての説明責任を果たすべきです。

この際、住民、県民に直接説明する場をつくり、設計寿命を超えて長期運転することの合理性と安全性の根拠を説明すべきです。住民、県民の合意もないまま40年超運転を強行することは、許されません。効率優先で稼働率アップのために老朽炉を長期運転で酷使することは、安全性を犠牲にするものです。わたしたちは、以下申入れ速やかな回答を求めます。

1、福島第一原発1号機「高経年化技術評価等報告書」を公開し、県民への説明会を開くこと。

1、原子力安全・保安院の審査で指摘を受けた原子炉圧力容器の中性子照射脆化に対する健全性

評価や水位計装ノズルの応力腐食割れに対する耐震評価の情報公開と説明を行うこと。

1、長期運転に伴う使用済み核燃料の保管および放射性廃棄物対策について明らかにすること。

ストップ!プルトニウム・キャンペーン 脱原発ネットワーク・会津 脱原発福島ネットワーク

とめようプルサーマル!三春ネット  福島原発30キロ圏ひとの会  双葉地方原発反対同盟

STOPプルサーマル!ふくしま ふくしまWAWAWA−環・話・和ーの会 「沈黙のアピール」

福島県自然保護協会   みどりの未来・ふくしま  MMMの会

連絡先:いわき市鹿島町久保於振1-2 TEL:0246-58-5570 <<

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