横田めぐみさんは金正恩のお母さんである!--という疑惑。

国際アナリストであり古代史研究家の飯山一郎氏が三五館から上梓した「横田めぐみさんと金正恩」は衝撃的な著作である。
この驚愕の情報は、官報と化している日本のマスメディアによって洗脳され、ステロタイプ北朝鮮観しかもっていない日本人には信じられないかもしれない。

しかし、韓国北朝鮮中国をフィールドワークとして活躍する国際アナリストであり古代史研究家である飯山一郎氏は、七年前にすでに金正恩金正日の後継であると発信しており、今回も長年の取材でつちかった信頼できる情報ルートからの確信に満ちた一冊。

わたしもえーほんまかいなと思って読み始めたが、眼から鱗が落ちた。まだ読みかけだが、読むうちに自分の知識や情報がいかに日本人的に歪められた北朝鮮観か反省させられる。

横田めぐみさんが金正恩のお母さんであること、故金正日は昔しばしば大阪鶴橋界隈をぶらついていたこと、なぜ金王朝宇治茶を愛飲しているのか、など丹念に点と線をつないでいく飯山氏の情報収集力力に加え、北東アジアの歴史への造詣がさらにリアリティを増している。

横田めぐみさんと金正恩

横田めぐみさんと金正恩

発刊元の三五館代表星山佳須也氏は、あいさつ文で日本人の北朝鮮観は「不幸願望症」だという。
「日本国内で流れるワンパターンでヒステリツクな北朝鮮情報は、真実なんでしょうか? 本当はもっとダイナミックに事象が進行していて当然なのではないでしょうか。(中略)必ずや私たちに新たな判断材料と気づきを提供してくれるはずです。」と述べている。

そして、「早くも予想された言辞が出てまいりました。『北朝鮮系の依頼を受けている!』というものです。不肖ながら、三五館は誰かの依頼を受けて刊行するゼニ追い出版社ではありません。ごあんしんください。」と結んでいる。

そのことはわたしが最大限保証する。学生時代からの40年近い親交のなかで、星山氏は南北のイデオロギー対立からは距離をとり、二項対立的な身の処し方に妥協しなかった。哀しい眼差しでそれらを超えた遠くを見つめてきた人であることは私が一番よく知っている。
真実を知ろうとするのではなく、そうした下衆がすぐ湧いて出てくるこの日本の不幸!


この本は北朝鮮の実像を伝えるが、同時に日本が北朝鮮の合わせ鏡のように存在しているのではないかという懐疑はわたしだけだろうか。

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