右翼言論人が、よく護憲派や軍拡否定派に対して「ゆでガエル」と
レッテルを貼る。
中朝がどんどん日本を攻撃してくる危機に、軍備増強を否定して、
九条を個別的自衛権に押しとどめようという人たちは、
生温い湯で気分よく死んでいくのだという比喩である。
今回の幸福度ランキングをみると、そのままお返ししたい。
明らかに安倍政権になってから、幸福度は下がる一方だ。
先進国の各種ランキングをみると、
一人当たり教育投資額をはじめとして、未来投資関係の指標や、
個人の指標がすべて最下位なのだ。
また報道の自由度のような、民主主義度の指標は韓国より下回り始めている。
これらは、まさに「ゆでガエル」の右翼や鈍感国民でなければ、
ひしひしと日常の皮膚感覚でわかるはずである。
この最たる原因は、
安倍的右翼言論は、哲学的にみれば、未来への想像を決定的に
欠落させたためである。
反対意見には実体はどうであれ「左翼」と決めつけ、
敵対的言論で封じ込めればよいという思想だから、
当然未来社会の見取り図をもたず、自己満足の復古材料での
ブリコラージュ(ありあわせ)に過ぎないのである。
その結果の政治が、明治回帰富国強兵復古主義と、
対極ににある新自由主義による日本の切り売りや移民政策が併存している
ことである。
この奇妙さは、ものごとの整合性や正当性や根拠という、
近代原理をまったく無視する思考方法である。
「左翼」つぶしに快感を覚えることを喜びとするから、
どのような方法であろうとも、潰せればよいのだ。
歴史修正主義も敵/味方の分断政策も、言論界やマスコミへの強圧的介入弾圧も、
すべて許されることにしてしまった。
そうした重苦しい、暗い世情が当たり前になると、
眼を開けてものを見ようとするものは、たちまち光線で眼をやられてしまう。
国民は、自ら眼を閉じ、ものを見ないようになってきたわけだから、
未来が見えないという暗黒に置かれているわけけで、
幸福など感じられなくなることは当然であろう。
「幸福度」日本は58位に後退 「自由度」「寛大さ」評価低く
世界の国や地域の「幸福度」をランキングにした国連の報告書が
まとまり、日本は去年より4つ順位を下げて58位でした。
G7=主要7か国の中で最も低く、台湾や韓国を下回りました。
国連は7年前から、1人当たりのGDP=国内総生産や健康に
生きられる年数、社会の自由度などを数値化し、世界の国や
地域の「幸福度」をランキングにしています。
20日に発表されたことしの報告書によりますと、フィンランドが2年連続で1位になったほか、2位にデンマーク、
3位にノルウェーが続き、福祉や教育が充実している
北欧諸国が上位を占めました。
このほかイギリスが15位、アメリカが19位でした。
日本は去年より順位を4つ下げて58位でした。
長寿国だけあって「健康に生きられる年数」は上位だったものの、「社会の自由度」や「他者への寛大さ」を評価する数値が低く、
主要7か国では最下位でした。
アジアでは、25位の台湾、34位のシンガポール、54位の韓国などを下回りました。
このほか中国が93位、政治や経済の混乱が続く南米のベネズエラは108位となり、
最下位の156位は、紛争が続き去年8月に和平協定が結ばれた
アフリカの南スーダンでした。