まず政府の対策委員会に顔ほそろえているのは、青山繁晴など排外主義ナショナリストばかりである。
冒頭に忠告するのは、国防と国民防衛は似て非なるものだということだ。
医学的合理性だけで鎮圧しなければならないにも拘わらず、どういう了見で人選をしているのか全く理解できない。
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日本人のどこか痴呆性と醜悪な性格が、
この新型ウィルスのパンデミツクを招いている。
この程度の事は、一月中旬で水際と検査キッドの増産供給をしていれば、かなり冷静に対処できたはずだ。
それをほとんどネットのSNSを使って集中的に発信してきた。
日本人が、戦後「国防」「国民保護」にほとんど米国任せ、ナショナリズムの観点をもたなければ正確に論じられない問題は、さけて通るか、理念的否定で実体を無視してきたことが、身体的反応のレベルで決定的欠陥になってしまったように思う。
第一次大戦に観戦武官を送りながら、人類史初の総力戦の悲惨を何も国家的学習としなかった。
国民防衛を考慮しないまま日中戦争に突入。この安易さ。
チェルノブイリ事故の悲惨をほとんど国家的学習に高めることをせず、原発事故を招いた。
その後もまったく学ばなかった。
ドイツなどヨーロッパ諸国は、チェルノブイリの危機にさらされたため、学習しており、一気にフクシマ後原発を停止。
サーズ、マーズ、エボラ出血熱も、酷い感染症であったはずだ。
たまたま日本ではパンデミツクになる前に、国家間距離のためピークが過ぎて国民の命の危機は軽症ですんだ。
これはたまたまであって、パンデミツクの条件はほとんど変わるものではなかったはずだ。
その知見を国家的学習となしえなかった。
すべてナショナリズムに係わる問題である。
今回特にその欠陥が鮮明になったのは、
無能の右翼安倍官邸と、野党並びにリベラル派であったことが深刻である。根拠のない「日本すごい」の安倍右翼、ナショナリズムに定見をもたないリベラル派が同期してしまった点だ。
むしろナショナリストたちが、中国発症のため嫌中の意図からしきりに防衛の発信をしていたことだ。
グローバル化が、資本の国境破壊をしたように見えても、厳然と国家も相即的な国民も存在し、国民の、自国民の優先的救済が当然であるという考えには権利がある。
吉本が、原発事故で、「科学は科学で、倫理をもちころな」と箴言をのこしたが、
「医学は医学で、イデオロギーを持ちこむな」というべきだろう。
医学的合理性を無視した安倍官邸と厚労省、これもこの政権の棄民政治として記録される犯罪であろう。
戦後日本人の陥穽を突いた新型ウィルス、
日本人の自画像を浮かび上がらせている。
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なお、神戸大学の岩田健太郎医師のプリンセス号の杜撰な、感染症対策とは程遠い混乱を指摘した動画を、医師みずから消去した。
このような社会的影響を放った動画は、安易に消去すべきではない。
するにしても十分説明をしたうえですべきだろう。