2022.11.2
26回目の桔梗忌。
桔梗忌は故清水征樹の忌日を祈念して、関係者が興した追悼会。
今回を以って最終回となりました。
初回は50人近くの出席だったものが、今回は11人。寄る年波にはかなわず、物故者が増え続けた。
清水は、生前同志社大の法学部長を務め、酒がたたったか50を越して早逝している。
専門性はもとより、60年代後半の学生運動の活動家への薫陶は一つの歴史的偉業だった。
半世紀を経て、福井紳一氏の書下ろし『SECT6』に照らして、どうも彼の源流は『SECT6』ではなかったかと確信している。
その後、卒業後同志社大の活動家たちの多くから、「同法会」はみんなよく勉強していて優秀だったという感慨を聞く。
派手な過激活動家ばかりが、マスメディアに載って小銭を稼いできたが、清水の様な無名だが、しかし多くの活動家に思想的影響力を与えた隠れたリーダーがいたことは、忘れるべきではない。
この写真の中に、民青からのリンチで、睾丸を潰されたもの、
官憲の不当逮捕で罪状を多く持たされたもの、
労組で、暴力団と闘い勝利した者もいる。
身障者のケアーに生涯をささげ、未だに施設の理事長を給与一万円で引き受けている者もいる。
そして、アホ右派が吹聴するような、髪を切って企業にもぐりこんだ転向者など、一人もいない。
みな生き方に悩み、20代を流浪したものばかりである。
しかし今は無事生きてこられたという、ささやかな喜びの中に、故人を追悼してきたのである。
しめやかにひとつの時代に幕が下ろされた。