■小沢代表続投−西松建設献金事件

小沢代表の続投が決定したようだ。
記者会見は、淡々としながらも小沢の執念が滲みでていた。
あの貌で、支援者の励ましを思って感極まり涙を落とす場面もあった。
小沢には珍しいことである。やはりよほどしてやられたという悔しさ
があったのだろう。
感心したのは、戦う相手は検察ではない、自公であると微動だにブレ
ていないことである。


今回の秘書逮捕は検察の違例づくめだが、実は国民の側も違例のように
感じる。
それは田中ロッキード事件や金丸収賄事件の時の国民の反応と違って、
小沢秘書逮捕に対しては、B層は別にして多くの国民がどこかに微妙
な理不尽さと割り切れなさをいだいているようにみえる。


わたしもビックリしているのは、この問題で民主党へのボルテージは
確かにいくらか下がったが、では政権交代を捨てたかというそうでは
ない。消去法であろうが、自民党と似たり寄ったりならば一度民主党
にやらしてもいいじゃないかという反応だ。


今回の続投が吉とでるか凶とでるか判らない。
わたしは、今回に限り検察のありかたに対して、民主党が一致団結し
て小沢を守ったことはとりあえずよかっただろうと思う。


それは今回のような近代法をもって近代市民社会以前の感覚の捜査は
国民にとって危険きわまりないし、万一恣意的な法適用のハードルの
上げ下げをして問題がでたとき、民主党という政党は自民・公明のよ
うにいきなり罪人扱いをし、市民を守らない政党だと誤解される可能
性があった。それを避けられたことはひとまず国民にとってはよかっ
たと思っている。


ただ、国策捜査の盥の中の公正を装って、小沢逮捕のような事態に
なると、数としてはマスコミと権力に取り込まれやすい圧倒的に多
勢のB層に潰されるだろう。
その意味では、今日の続投は経過の一こまでしかないのではないか。


いずれにしても、検察は西松建設から渡った22人の議員についての
授受方法を公表し、なぜ小沢だけなのか納得のいく説明をして欲しい
ものだ。


樋渡検事総長の国会喚問により、徹底質疑をしてもらいたいものである。
 なぜなら検察も国家公務員であり国民の質問に答える義務があるか
らだ。メディアへのリークなどではなく正面から向き合っていただきたい。
民主党は、それができなければ政権などとれるわけがないし、権力の
コントロールなどできるわけがないからだ。


その検察内部の今回の情況がほぼはっきりみえてきた。
情報をつなげていくと、田原総一郎などの憶測の青年将校化などとい
うことと全く逆の動きであったことがはっきりしている。
選挙前着手は検事総長ほか幹部の意向であり、三権分立の原則を守ろ
うとした慎重派は特捜部長であったということだ。

明日はこのことについて書きたい。