■仙石戦略相発言と4月からの暮らし

■仙谷戦略相が予算酷評「戦争末期の軍事費」
(読売新聞 - 04月01日 18:47)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1162099&media_id=20

TVを観ていないので、どういう文脈でいったのかはわからない。
マスコミは、批判のために都合のいい部分だけ切り取るからうかつに頷くわけにはいかない。

そう思っていろいろ閲覧していると、予想していた通り仙石氏の意図は好ましい予算ではなかったが、自民党政権時代からの長年の経緯の中で必然性があった、という弁明の文脈であったようだ。
相変わらず、読売は民主党政権潰しのご都合記事に変造して発信しているようだ。

それはそうだ、一気に今までのことは関係なし、などと行かないのが世の中だ。
普天間問題みていれば、いくら沖縄県外で時間をかけて検討したいといったって、自民党のキャンプシュワブ埋め立て案に縛られて、その論議から逃れられない。
そんなものは庶民の常識にもかかわらず、ことさらあげつらう読売はジャーナリズムを逸脱している。


さて、国が富んで民が困窮する政治から、国民が豊かさが実感できる政治への転換が僅かですが感じられる法案が、この間いくつか通っています。もちろん負担増もあります。

4月から暮らしが変わる主なもの。

忘備禄。

子供手当  
  ・中学卒業までこども一人当たり月額1万3000円
  ・4月5月合わせて6月に支給

2高校授業料無償化
  ・公立は徴収なし
  ・私立は所得に応じて年額12万円〜約24万円の就学支援金を支給

3診療報酬改定
  ・10年ぶり増額改定。薬価含む総額で0.19%アップ
  ・再診療/診療所710円・病院600円→690円に統一

4中小企業向け全国健康保険協会協会けんぽ)保険料率アップ
  ・8.20%→9.34%(全国平均、労使折半)、平均的収入
   (約370万円)で年間約21000円の負担増

国民年金保険料
  ・月額440円引き上げで15100円に

雇用保険の加入要件緩和
  ・雇用見込み期間6ヶ月以上→31日以上
  ・雇用保険料(労使折半)0.8%→1.2%

7改正労働基準法が施行
  ・月60時間を越える時間外労働に対する割り増し賃金額
   25%→50%以上(中小企業は当分適用除外)

8国際線の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)引き上げ
  ・日本発/片道で200円(韓国)〜3500円(ブラジル)増

9電気ガス料金値下げ
  ・標準的家庭で東京電力月67円、東京ガスでつき79円など

10自動車重量税軽減
  ・自家用乗用車0.5トン当たり6300円→5000円
   (新車登録後18年経過の車を除く)

11家電のエコポイント手続き簡素化
  ・型番、製造番号の記入不要に
  ・発行ダイオード電球への交換を優遇

12改正保険法施行
  ・約100年ぶりの改正。契約者保護法を強化。約款を平易な
   文言にし、支払い期間などを明記

13米農家への個別所得保障制度
  ・各地の農政事務所で1日から申請受付

14第一生命株式会社化
  ・NTT以来の大型上場

15損保業界再編
  ・MS&AD、NKSJの誕生で3メガ損保時代に

16三菱自動車、電気自動車「アイ・ミーブ」個人向け販売開始
(以上東京新聞、2010,3,31朝刊より)

みごとに我が家は何の恩恵もありません。
子供も仕上がった老人世帯には何の恩恵もありません。
負担増ばかりです。

ただこれも仙石氏風に言えば、自民党政権時代国民が承認して負債を増やした結果の収拾策であるから止むをえません。ただ感情論として、一度たりとも自民党を支持なかった者としては腹立たしい限りですが。

しかし、現役のこれからの日本を担う若い世帯には配慮されているようなので文句はいいません。

むしろ自民党公明党政権下では出てこなかった先進国として当然ともいえる方向性が垣間見られているので歓迎します。

同時にこの財源を今後どうしていくのかという基本問題をシッカリ注視していく必要があるでしょう。

ただ、自民党財政均衡論者のように、だからこれらが無意味だという言い方は間違っている。

社会が潰れては、財源問題もクソもないのです。
まず小泉構造改革で起きた社会生活破壊の緊急避難対策は、政権交代によってしかなしえなかった。

それは自民党支持率が回復しないこと、政策破綻への知的論理的反省をしない宗教的盲目による組織団結だけを温存する公明党などの旧与党の混迷と修正政策発表がないことが証明しているでしょう。

批判派やデマゴーグにはリアリズムが感じられません。
郵貯の300兆円他総国民預貯金1500兆円、特別会計米国債の償還などあわせれば十分金はあるんですから、まだまだ政策さえしっかり立てていけば、何とかなります。

またしなければいけない。

それは国民の生存の条件であり、一人ひとりの「幸福のデザイン」の与件でもある「社会」の再生を行なっておくことが先決である、ということです。