俳句作品--至高「梟の夢」10句

    梟の夢

線量の往くて往くてに恵方

針山の針の先より初日の出

ひたすらに木立にまぎれ寒椿

梟の夢より老いて醒めにけり

朝時雨寝覚めの窓のあわいかな

凍鶴の天の昏さを憂うるか

柚子風呂やときに女は仁王立ち

薄氷と風のあわいを漆黒の馬

重心を少し後ろに寒牡丹

大寒のくまなく肺に塵・セシウム
 --『六曜』NO26,2012.3.1発行--

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