巨星吉本隆明の訃報に接して

ランチタイムにtwitter吉本隆明の訃報に接する。
とうとうその時が来たな、と思った。

吉本の健康がすぐれないという噂をきいていたが、一昨年畏友津森和治氏が対談をしている。そのときの状況を聞いて想像以上に病状はよくないと知った。

わたしの中では、吉本隆明の死が、本当の戦後精神の死であり、個人的には何かが音をたてて崩れていくイメージがあった。

とりあえず、思わずtweetしたものを記しておき、自分の心情のありかを今後探索する手がかりとして残しておく。

2012,3,16ツイッターより。

そうか、とうとう吉本隆明が亡くなったか。落涙!戦後思想の巨星逝く。いまの「吉本隆明研」が終わるまでは生きていて欲しかったなー。小論書いて送るつもりだったのだが…。これから群小の売文屋がしたり顔で評価と貶めを開始するだろう。だがそうすればするほど己の卑小さが目立つだけだ。

吉本隆明家は毎年西伊豆の土肥(とい)へ避暑に来ていた。後年それを知った時なんだか嬉しかった。わが家も帰郷ごとに訪れていたからだ。そんな些細なことでも接点が見出えただけで励みになった。生活思想として感受し、理論と倫理を統一した身の律し方まで影響を与えたのが吉本だと言える

わたしが実社会へ出ても、それなりに読書と表現者の道を進めたのは吉本隆明の思想的邂逅のおかげである。在野にあって生活の中から言葉を紡ぎ何者にも依存しない 自立した思考によって、いま辛うじて自分の立ち位置を確保できたといえる。どこかで吉本隆明の生きざまに自分を重ねてきたきがする。

お疲れさまでした、生涯ブレない、退行のない、庶民への慈愛の眼差しは稀有の人格でした。
ご冥福をお祈りする。