ヴァイマル憲法とヒトラー――戦後民主主義からファシズムへ (岩波現代全書)
- 作者:池田 浩士
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
わが親愛なる池田浩士先生が、橋下徹のハシズムから安倍内閣のファシズムに危機感をもたれて、とうとう昨日一冊刊行し、世に警鐘を鳴らしました。
ぜひお買い求めの上、丹念にお読みください。
反知性主義(ファシズム)は、当面の目前の事態を切り抜ける説明ができさえすれば善しとする。
未来の異論や、次世代からの予想される反論には一切配慮しないことを特徴とする。
知性主義は歴史に学び、未来に責任を持ち、次世代の反論までもを担保しようとする。まさにそういう意味で、池田先生の言説はファシズム研究の第一人者として貴重な書籍だろうと確信します。
特に、丸山真男に代表される進歩的戦後知識人たちの言説が、吉本隆明が指摘した意味で、その無効性が現実の進行によってあらわになってしまいました。
戦後進歩派は、吉本が厳しく批判し、思想的無効を宣告してた地点に戻ってもう一度戦後思想の初発の見落としと、自らの内なるファシズムを検出しておくことが喫緊の課題だと言えましょう。