NHKの「生活の党」出演締め出しの独善的規定は廃止し、国民に知る権利を保障すべきである!

望月麻紀記者の記事によると、NHKが明らかに籾井会長のジャーナリズムを放棄した「偏向報道を正す」という「偏向」が、内部に浸透しつつあると報じている。従来NHK年度予算は国会議員与野党全員一致で可決されてきたのだが、昨年は不祥事で与党とみんなの党だけで通過さた。これに対し、籾井会長は予算は与党でだけ通ればいいと発言して、与党内部からも不適切だとたしなめられたとのこと。
籾井会長は、就任後、社員の定期異動だけでなく、随時人事異動を発令することを取り入れた。自分に意に沿わない意見や番組を作る社員を飛ばした。イエスマンだけで固めるためである。これで中間管理職は、籾井会長の意向を忖度し、下へ下へと与党批判的な番組作りや発言を抑えるようになってきた。
そのひとつが、宝田明氏の番組中の戦争言及を、アナウントーがあわてて発言を封じた事件であった。
今度NHKの主力報道番組の大越キャスターが更迭となるという話だ。理由が、自信のブログで原発推進反対を主張していることが、お咎めとなったのではないかということだ。大越キャスターいえば、明らかに自民党政権よりの最後の一言で「盛り上げている」人ではないか。その大越キャスターですら粛清されるのかと驚かされる。
一方、籾井会長は、アメとして管理職の賞与を30〜50万円、一般社員給与2万円程度を一律挙げて、しゃぶらせた。これで、籾井会長の「偏向」に鈍感となって、籾井会長が何もいわなくても、自動的にジャーナリズムを放棄するムードが完成しつつあるようだ。

さて、この日曜日の各政党討論会に「生活の党と山本太郎とそのなかまたち」が閉め出された。
国会議員が二人以上の会派や党であれば、国民の民意を担って国政に出ているわけで、或いは政党要件を法的に満たした政党議員であれば何らかの利害代弁者であるわけで、国民はNHKという有料国民報道機関である限り主張を知る権利がある。
ところがNHKの恣意的な線引きで、小沢一郎山本太郎が出演から締め出されたのだ。5人以上の議員をもっている政党規定はクリアーしているが、得票率が選挙民の2%に満たない場合は、出演させないというのである。

「生活の党」からNHKへ抗議がなされ、公平な小政党でも出演できるよう申し入れをしたようだ。その抗議文が以下である。まことに妥当な主張だと思う。


2月3日

日本放送協会(NHK)
 専務理事・放送総局長 板野裕爾 殿

生活の党と山本太郎となかまたち
 代表 小沢一郎
 代表 山本太郎

衆議院総選挙後初めてとなる国会の論戦が始まったことを受け、2月1日の『日曜討論』は、「拘束事件・経済再生 与野党に問う」をテーマとしながら、「放送機関の編集権のもとで公職選挙法第86条の1項、2項の両号を満たす政党」とする出席基準をNHKが独自に設定したため、我が党をはじめ、国会に議席を有する複数政党が討論に招かれませんでした。これは、憲法放送法の規定を侵害するものであり、以下に理由を述べ早期の見直しと是正を求めます。

放送法第3条「放送番組編集の自由」は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、憲法で保障された国民の「知る権利」に奉仕するため、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と規定しています。 

国民の「知る権利」をより良く充足するために、放送法第4条は「政治的に公平であること。意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」と規定しています。

つまり、憲法放送法は、報道機関による放送に対して、言論・報道の多様性を通じて国民の「知る権利」に奉仕することを期待しています。それに対して今回のNHKがとった特定政党を排除するという措置は、明らかに憲法放送法の趣旨に反するものであり、到底容認できるものではありません。

また、公職選挙法第86条における政党の定義は、下記の各号のいずれかに該当するものと規定されています。

一  当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を五人以上有すること。
二  直近において行われた衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は参議院議   員の通常選挙における比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政党その他の政治団体の得票総   数が当該選挙における有効投票の総数の百分の二以上であること。

つまり、2つの条項を満たすことは政党の要件にはなっていません。それにもかかわらず、NHKの恣意的な基準に満たないからといって、我が党をはじめ、特定政党を討論に招かないといった措置は、健全な民主主義の発達を妨げるものであり、NHKの放送のあり方について猛省を促すものであります。