アベノミクスで労働分配率低水準維持、経営者の所得過去最高を更新。

労働分配率8年ぶり低水準 15年度、内部留保は最高

労働分配率とは、企業収益に占める労働者への賃金配分比率だす。これが低いということは、儲けているのに給与を会社がケチっているということを意味します。

それがアベノミクス以来低水準を維持しています。
理由は、経営判断というやつで、経営サイドが経営の先行きを不安に思っていると、企業体力をつける方にお金を回す、つまり資金プールという内部留保へ求めます。

ということは、アベノミクスの自己宣伝に反して、経営者はその効果を信じておらず、わが道は自分で守るという心理が濃厚に働いているということだ。

麻生副総理が吐き出せといったって、それこそ麻生が信じ込んでいる市場原理がそう働いているのだから、吐き出すわけがない。

市場原理に任せるのではなく、労働分配率を上げる政策をすること。政治ができる手っ取り早いことは、最低賃金を上げること、そうすればインフレターゲットも上手くいきだすだろう。
アクセルとブレーキ一緒に踏むな!

企業の利益のうち、労働者の取り分を示す「労働分配率」が低水準になっている。財務省の法人企業統計から算出した2015年度の労働分配率は66.1%で、リーマン・ショック前に企業の利益が膨らんだ07年度(65.8%)以来の低さとなった。一方で企業の利益の蓄積である内部留保は4年連続で過去最高を更新した。

 労働分配率は付加価値額に対する賃金などの割合で表す。付加価値額は年度の人件費や営業利益、減価償却費、支払利息等を合計した。賃上げや賞与の増加で人件費の総額は2年連続で増えたが、利益が過去最高水準となるなか、分配率は低下している。15年度の内部留保は377兆円で前年度比6.6%増となった。

 内部留保の増加に関して、企業経営者には「内部留保そのものを悪とする考えはおかしく、経営の自由度をあげる唯一の原資だ」(日本商工会議所の三村明夫会頭)との声が根強い。

 これに対し、石原伸晃経済財政・再生相は2日「経済を成長軌道に乗せるには内部留保を設備投資や賃金増加につなげることが重要だが、残念ながらそういう状態に十分にはなっていない」と現状に不満を述べた。一方、麻生太郎財務相は同日「もっと労働分配率の比率が高くなってこないとおかしい」と今後の上昇に期待を示した。

 直近では、4〜6月期の設備投資は前年同期と比べ3.1%増と、プラスだが伸び率は鈍っている。経常利益は減益だが、前年同期に続き過去2番目の高水準を維持した。企業が利益を投資に回すのに慎重な姿勢は続いている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H5D_S6A900C1EE8000/