最近の病床10句(2021.7.4)

病床でシコシコと独りで作り、誰にも鑑賞されない俳句。

自虐的に掲出するしかない。

 

眼光の暗さに殺意野火走る

書を捨てて薬を詰める暮春かな

高階の春光を吸う肺点まで

    -宝島社意見広告に賛意-

広告の竹槍とあり亡母(はは)の青春

コロナ禍の雨後の朝日や幸祈る

闘士らの晩年いかに鳥雲に

病床に抱く空の蒼さと紫陽花と

和解なく父を送れり梅雨長し

一生は一行ですむ合歓の花

追憶の梅雨の夜風にシュプレヒコール