アレクシェービッチの作品はまだ読んだことがないが、このインタビューでとても共感をもった。
一つは、日本の外交官上がりや専門家が、いまひとつ分からない、すなわち民衆の座標軸を欠いている国家主体の語り口は戦争論として無効であると、再三私は批判している。
従って、残念ながらロシア国民がプーチン政権を倒すということはありえないだろうと。
ガキの喧嘩じゃああるまい、どっちもどっちも戦争やめろなどという無責任なことを、彼女は言わない。
私も長期化しはじめてから、ロシアの脅しに乗るな、日本の平和論者のようにプーチンと口を揃えて第三次大戦に入るなどバカ言ってんじゃないと言ってきた。
戦争が始まってからは、どのような戦争もどちらかが戦闘優位を確保しない限り停戦などありえないのである。
とくにこうした20Cのクラッシックな領土戦争は。
ロシアは無傷のまま、拒否権の常任理事国を維持したままダラダラ世界の不安定化を「常態」にするのである。
アレクシェービッチのこの軍事認識は、ヨーロッパにおける弱小民族の、歴史的苦悩を深くたたえたものだと言えるだろう。
(Facebookより転載)