山田洋次監督、やってくれました
「TOKYOタクシー」は素晴らしく佳いできでした。
タクシーを舞台に描く作品は、類似映画がなくはない。しかし、それゆえに、脚本と監督の腕がもろに問われる。
作品論らしきものにしようと思うと、数日をようするだろう。
それほど思うこと、叩き込みたいことが多すぎるのだ。
広報誌には、毎回新作品が紹介されてきた。
ぜひ、長生きして欲しいと願う。
あらためて、倍賞千恵子の「すみれ」の人生と重ね合わせて、我々は何であったのかー思いは千々に乱れる。
最後の、撮影記録誌に載った桜木紫乃(作家)の作品評の一節が佳いので紹介する。
ー「生きることは、かなしいことの連続かもしれない。けれど、その大嵐のなかを地に足をつけて生きることができれば、色のない景色が見事に反転して色づくときがくる。
人は立ち止まり、そしてまた歩き出す。その景色を見るために、『よく生きる』し、『生きつくす』のだろう。
いかなる出来事も、いかなる時も、挽回できる人生でありたい、挽回を促してくれる、そんな世の中であって欲しい。ー
なおこれを、また別離の日が近づいてきた娘に、父の遺言として贈った。