鳩山総務大臣辞任と「西川善文の罪と罰」

まず端的にいえることは、麻生総理=権力亡者がまたしてもこのような政権維持だけのために国民の意向を無視し、不合理な政治の上塗りをしたということだろう。


そして、このような麻生太郎を担いだ鳩山総務大臣の人物を見抜く未熟さを露呈し、麻生総理を説得できぬまま国民の期待を裏切った。


政治は結果をださなければならない。その意味で鳩山大臣の態度を理解し支持するとしても、ヒーロー扱いをすることは慎まなくてはならない。
自分を担いだ盟友を捨てて、自民党自体を窮地に追い詰めるこの決断は、小泉−竹中などのゾンビとの妥協とのことだが、ますます麻生総理という人物がいかに党内ゲモニーをもちえていないかを改めてさらけだしており、ただのエゴイストでしかないという個人的性格をもはっきりさせている。このエゴイストからは、国民のことなど本気で考えた政策は初めから期待すべきではなかったのだ。


いち庶民には、ウラのウラなど知りようもないから、今後この展開がどうなっていくかはわからない。いえることは、郵政の不透明な問題は検察が明らかにしてもらわなくては困るし、西川が再任されたとしても、明らかな私物化と背任行為には国民の声で追い詰めて葬るべきなのだ。


週間文春6月18日号は西川の「罪と罰」を特集している。

西川善文は、最後のバンカーといわれ、8年間三井住友BKで辣腕を振るった。超ワンマン、瞬間湯沸かし器といわれ、一旦怒り始めると灰皿は投げるわ一方的に二時間怒鳴り続けるわと手がつけられなかった。
(まあ人格障害者ですな、こういうトップは中小企業に多いが、阪大卒の西川が人を人と思っていないことを印象づけます。)


西川の入社面接は旧住銀の天皇と言われたこれまた超ワンマンの磯田一郎だった。そのご磯田の覚えめでたく、「安宅産業解体」特別チームに抜擢。
以降、頭取直轄の「融資第三部」という社内監査でもアンタッチャブルといわれる部署で、平和相互事件、イトマン事件など事件がらみの不良債権処理をして頭取に上り詰める。
(鳩山大臣に郵政の決裁が回ってきたとき、「西川が決裁したなら必ず問題があるから調べろ」と側近に指示したという裏話があるが、この西川の経歴を見る限り暴力団のサルベージュと何ら変わらないような仕事を非合法スレスレにやってきたことが透けて見える。その辺を鳩山大臣は見通していたといえる。

【追記】非合法スレスレではなく、将に暴力団と二人三脚で企業犯罪に手を染めてきたようである。詳細は「東京アウトローズWEB」を参照してください。
 http://outlaws.air-nifty.com/news/2009/02/post-6413.html


西川のワンマン体制の弊害。
03年ゴールドマンサックスから三井住友住銀は5000億円の優先株発行による資本増強をおこなった。このとき、かんぽの宿と同じデキレースが生じている。
ゴールドマンサックス以外の投資銀行からの増融資話があったにもかかわらず、行内の猛反対を押し切って西川個人の関係の深いゴールドマンサックスに、16億円の手数料と通常の倍以上の年間220億円以上に昇る配当を与えるなど破格な条件でゴリオシ導入した。
かんぽの宿「背任行為」の原型がここに発生している。)


竹中平蔵の暗躍と抜擢。
金融庁は、このゴールドマンサックス(GS)へ決定する過程の他の投資銀行案件が一切検討されていないことを指摘。
この取引に先立ち、西川と親しいGS会長ヘンリー・ポールソンと竹中金融相(当時)が面談していたこともあり、GSと何らかのウラ取引があったのではないか、と憶測をよんだ。
アメリカへ行くと竹中にはGSがどこに行くにも案内役がぴたっと張り付いてかいがいしく世話をすることで有名らしい。)


さらに西川は、UFJが破綻したとき、独断で経営統合計画を進め、結果的に三菱東京銀行にもっていかれる。
これが行内で経営責任を問う声になり本人がミソをつける前に退任した。
半年後竹中が西川を郵政の社長に採用。
(西川はこのときの私怨を晴らすため、銀座の中央郵便局を高層ビルに立替ることに執着しているといわれる。そこからは三菱東京UFJが真近に見下ろせる。「ここから三菱本社ビルを見下ろしてやる」と言い放っているとか。こういう負けず嫌いで粘着質な性格は、トップに向かないだろう。)


「チーム西川」のワンパターン。
かんぽの宿が不明朗な形で、オリックス一社へ売却された経緯とそっくりである。
また、博報堂エルグとの責任代理店制度による一社随意契約も全く同じである。国営企業一般競争入札を行うことを慣例としているが、博報堂一社の随意契約である。このときも社内では三社ぐらいにすべきだという意見があったが、「チーム西川」は一切耳を貸さず独断専行だったらしい。
(民間でもいまや数社のプレゼンがなければ発注できない。またこれだけの発注規模の場合、電通博報堂のツーベンダーが常識である。また官系の仕事に電通が一切入り込めていないケースは皆無といっていい。博報堂一社というのは余程強力な権限が働いているといえる。)


さらにゆうパックと日通ペリカン便の業務提携が発表された折、社内では直前まで幹部には知らされなかった。ペリカン便は日通内ではお荷物部門で郵政の収益向上に繋がるか疑問視されている。


取締役会で、こういう不明朗な問題に意義を申し立てると、西川は即座に「いやなら、君がやめればいいだろう!」と一括するらしい。
(まさに下衆だ。おのれだけが正しいといううぬぼれだけで、人を人とも思っていない。これは思うに若い頃から上に眼をかけられて、ひとのサポートで生かされているという帝王学を学ばなかったなり上がり者の経営哲学である。)
今回、社員教育の発注先が創価学会奥谷禮子のザアールに決まった。これも何故なのかよくわからない。6億円もかけて社員教育をするわけだが、どのような企業が検討されて、金額はどうだったのか?入札だったとは聴かないからこれも随意契約だったのだろう。公表して国民に説明すべきではないか。


こうしてみると、小泉、竹中、西川、宮内、奥田、奥谷、ハゲタカファンド、など上げ潮派ばかりに金が落ちる構図がはっきりみえる。


郵政族といわれて栄華を誇った旧経世会の利権が、なんのことはない清和会が掠め取ったにすぎず、それをアメリカのハゲタカファドに貢いでいるという売国的なオマケまでついているといことだ。
わたしは、今の官僚の天下りをいいとは思わない。しかしそれは一部の破格な退職金を繰り返しもらう高級官僚の行き過ぎた制度が問題で、公務員といえども老後を食っていかなければならない。有能であれば「民間」と同程度には食い扶持を設けてもいいとは思う。それは小泉−竹中のようにアメリカのハゲタカにただ同然で貢のであれば、日本人の血税は日本人に分け与えるべきではないか、と素朴におもうのである。官僚制度解体論の前提は、こうした小さな政府という尤もらしいオタメゴカシに隠れてハゲタカファンドとつるむ上げ潮派の殲滅とセットで語られねばならない。そしてマジメな下級官僚の食い扶持に血税は用意されなければならない。


小泉竹中が小ばかにして利用しきったB層はみごとに騙されたことがハッキリしているわけだが、そのバカなB層も今回ばかりはしっかり騙されていたことに気がついただろう。


まあ鳩山邦夫クンは起死回生を図ってください。男になり損ねたが、それなりに評価していますから。でも麻生などとは二度と手を組まない方がいい。
自分を下等に見せるから。だって麻生くクンは学習院だろう、鳩山クンは東大なんだから、麻生に傅くこともないだろうよ、金だって持ってるんだし。


なお、直近(22:00時点)の国会関係者の極秘情報では、清和会は麻生降ろしにまとまったとのこと。