仲正教授名誉毀損突っ込み事件余禄


【追記分アップあり】

仲正教授の名誉毀損突っ込み事件の余波は、思想家山崎行太郎氏へ狂気じみたメールが送りつけられているとのこと。山崎氏には鬱陶しいこととおもいます。改めてご迷惑をおかけしましてお詫び申し上げます。



宮台真司が仲正教授の紹介をしているが、好意的に最大限書いているがその言葉の端々に仲正教授のシャイで一風変わった性格が感じられる。
miyadai.com→ http://www.miyadai.com/index.php?itemid=192


18歳から29歳の11年半を統一教会という巷間流布されている怪しげな宗教に属して(年限や退会していたことは今回初めて知った)いたわけだが、この時期は人間の精神や思考方法などが一番色に染まり且固まっていく時期である。


その一番大事な時期に抱え込んだものは、わたしの体験から言えば一生ものである。
つまり、脱会しても染まった色はそうたやすく脱色できるものではないだろう。組織からの脱会はあっても、自ら克服するためには、彼のようになまじ頭のいい人間は自分との死闘をすることでしか克服できないはずだ。


彼の文面で読めるのは、「既に脱会している、教授になってからも協会に属しているような言い方が問題なのであり、(shikouの発言が)故意にそこを曖昧にしてオカルトにこるようなやつだから著作など読むなと誘導している」、という言い方をしている。


彼の中のどこかに協会時代の自分に忸怩たるものをもっていなければ、そこに拘る理由はないはずだ。
であるなら、仲正教授は統一協会時代の思想的総括を実存をかけてしておかなければならないだろう。


それが言説を売り物にする知識人の最低限の務めではないか?


その点をいみじくも突いたコメントがあるので紹介しておく。

ni0615 2009/06/25 16:44
nakamasamasakiさん はじめまして
  貴兄の一文、二文読ませていただきました。
  mochizuki さんの書き込みが「名誉毀損」だということですが、それは貴方の現在の身分職業である「大学教授」という名誉を毀損した、という御主張に尽きるように思えますが、そう受け取ってよろしいでしょうか?
  もしそうだったとすれば、あなたの主張の前提として、「統一教会員であったこと」もしくは「今も統一会員であるかもしれないこと」の指摘は、「大学教授」という名誉を毀損することになる、という統一教会というものの善悪属性が自明だということですね。
  しかし其の一方であなたは、それほど所属しただけで不名誉な「統一教会」に、過去において属していた事実をお認めになっている。
  だとすれば、いきなり「名誉毀損で訴えてやる」なんていわずに、ご自分の過去の統一教会体験を赤裸々に告白し、そこで犯した罪を悔悟し、脱会の理由を述べ、そして今日或る「統一教会」を真正面から批判することによって、誤解を解くのが先決ではありませんか?
  あなたの仰り様は、太宰治が最も軽蔑した知識人、「昨日まで言ってたことをケロリと忘れて今日の正義を喚く輩」、「自尊心はただただ大学教授だとか文士さまとかの身分、世間体にのみあると、恥も外聞もなくさらけ出す輩」そのものですね。
  私は、「人間失格」を書き情死に至ってしまった太宰とは対極にある仲正昌樹さんの名誉欲には、驚嘆しています。そして、大学教授様もどこかの馬の骨様も一様対等であるWEBに向かって、「大学教授に向かって何をいうか!」と殴りこむ、貴方の非常識さ幼児性にはあきれ返っています。
  さりとて、力有るものには下駄を履かせてアドバンテージ、さらに優位に立たせようという昨今のご時世です。nakamasamasakiさんは「大学教授」であるという理由のみで他人より多くの名誉権が認められ、裁判には勝訴できるかも知れませんね。
  蛮勇を轟かす良いチャンスです。せいぜい頑張ってください。でも其の前に、「はてな事務局」が、貴方様の蛮勇にひれ伏すかどうかが見ものです

このni0615さんの批判は全く正しいといえる。同感である。


見ず知らずの人間に向かって、自分の経歴を厳密に了解しておけと恫喝する前に、知識人としての自負があるなら、やるべきことはこういうことではないのか。


今度統一協会時代のことを書くと言われているが、期待しておこう。ただし、ただの回顧談や青春グラフティーでは意味はない。
教会の原理的な思想の克服過程を開示し、今のあなたの実存の根拠としているということでなければならないだろう。そうでなければ隠れ信者だとそしられることに甘んじなければならないだろう。


ある学問分野の実証的研究成果は、東大あたりにいける人間には誰にでもできるのだ。しかしそれは魚屋が種類ごとに魚の捌き方をしっているのと同じレベルの問題にすぎない。


だから仲正教授の研究分野の著作を一定程度評価する、という言い方ができる。


しかし、そうしたアカデミズムのモダニズムが明治以来続き、知識人がただ知識の切り売りに明け暮れ、時代の肝心なターニングポイントでその<知>が生活者の方ではなく、権力に擦り寄り、生活者を抑圧するものたちに奉仕したという苦い体験をわたしたちはもっている。


仲正教授が、わたし流に言えば、切り売り知識人ではなく思想家であるかどうかは別の評価軸をもって測らねばならない、ということである。


その評価軸とは、かつての小林秀雄の戦前マルクス主義者批判であり、吉本隆明丸山真男批判であり、今もその評価軸は失効していないはずだ。


わたしの仲正教授に対する評価と懐疑は以上のようなところからきている。
矛盾でもなんでもない。


それからわたしの宗教に対する感覚は、平均的なものである。
宗教は全てオカルトともいえるし、ひとを逆立して救うともいえる。


他人を巻き込んだり、金を貢がせたり、女をいたぶったり、不法に金品を簒奪したり、教団批判者を暴力的に排除したり、選挙票田にししたりしさえしなければいいのではないか。


そして、宗教の最大の要件は、入会−退会の自由が保障されていることである。退会者が出るたびにソフトリンチにかけるようなことをしてはいけない。

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【2009,7,2、以下追記分】


【追記1】

その後ni0615さんのコメントが上記掲出コメに補足されていましたので、上げておきます。

ni0615 2009/06/27 16:16
nakamasamasakiさんに誤解のないように付言します。
18歳から29歳までの11年半を統一教会という宗教に属しておられたのなら、貴方にとっては
良くも悪しくも其処は今日のあなたの思索の揺りかごだったはずです。
だからこそ貴方はトークイベントにも招かれたはずです。それなのに、『統一教会』を
あなたに都合よく持ち出す分には良いが都合悪く持ち出す分には「名誉毀損」だと殴りかかる。
なぜでしょうか?
ゆりかごであった『統一教会』にも失礼では有りませんか? と敢えて申し上げて誤解なきことを望みます。


【追記2】

その後、舞台となりました山崎行太郎氏への狂気じみた仲正教授よりのメールと、山崎行太郎氏の批判的見解がアップされていましたので、ご案内しておきます。
    ↓
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/

わたしも、迷惑の発端をつくった者として大変申し訳なく思っていますか、山崎氏と同感であり、これを契機に<知>を扱うプロの方々の、まともな俎上での深い論議につながればいかなる謗りをうけることも光栄である。


なお、たまたまある本を読み始めたら、冒頭から文学思想上の名誉毀損問題を実証的に論じており、天啓のごとく感じたのでまた時間が許せばアップしたい。
「神」が手を抜くなということでしょう。笑

要は、「文学思想上の名誉毀損は、あって当たり前、勲章のようなものだ」と言っている。

ただこの文学者も、自分がすべてを知っているように事例を挙げているが、死者の名誉毀損事件の記述は間違えている。そこはわたしの方が解っている。笑
この文学者も偉そうに人を罵倒するので有名だから、キッチリ指摘して、彼の研究意欲を刺激してやろう。笑